エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

踏みしめて歩くなよ

2010-11-25 | Weblog
 今朝のラジオ深夜便、4時台『明日へのことば』は、「浦上の丘に登れば」詩人・濱田龍郎氏の話だった。
8月放送の再放送、初めて知った詩人のさわやかな心に響く話を聞くことができた。
今朝は第1回「浦上天主堂の悲しみ」、明日は第2回「被爆マリア像が導いたボランティア」、
明日も、是非聞きたい。目が覚めればいいが・・・。

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サラリーマだった濱田龍郎さんは昭和42年種子島から長崎に転勤、写真家の故・池松経興氏と出会い、浦上天主堂など原爆の傷跡を残す沢山の写真を見せられショックを受けた。この写真との出会いが濱田さんの人生を大きく変えた。
 当時、浦上天主堂は既に新しく立て替えられており、長崎が広島のように原爆の悲惨さを後世に伝えるため、被爆した浦上天主堂をそのまま残さなかったのかと怒りと悲しみを感じた。濱田さんは遺跡の最後の一かけらまで撮り続けた池松さんの心を思い、後世の人に、被爆した浦上天主堂を残そうと、見せられた56枚の写真一枚一枚に詩を振りつけた。
8月9日には毎年長崎で展示会「詩と写真展」を開いている。
「長崎の被爆地の土の中には屍がうずもれて土になり、踏み固め石になっている。だから踏みしめて歩くなよ、この街のこの土を」と濱田さんは涙した。
(参: 濱田龍郎のブログ・夢実行塾より)
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濱田龍郎氏の詩集「浦上の丘に登れば」の中の詩

踏みしめて歩くなよ
この街のこの土地を

きのこ雲たちのぼる
焼け跡にたたずんで
ふるえていた寒い夏

踏みしめて歩くなよ
この街のこの土地を

なみだ声嗄れ果てて
子を探す親たちの
眼間(ままかい)に熱い風

踏みしめて歩くなよ
この街のこの土地を

屍は足の下
うずもれて土になり
踏み固め石になり・・・

踏みしめて歩くなよ
この街のこの土地を。



第二回の内容 (NHKより)
 被爆したマリア像に後押しされ、脱サラからラーメン屋を経て福祉の世界に飛び込み、完全雇用型の「障がい者の家」を理想とするに至ったじょとなどを中心に、障がい者との暮らしを詩に込め、福祉に捧げる人生を歩んでいる詩人の濱田龍郎さんに話しを聞く。