エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

今日も暮れた。

2011-07-14 | Weblog
  
 昼、トンボ池に行く途中に、日橋側の清らかな水の流れを見た。
夕方、真っ赤な夕焼けに誘われ庭に出た。



 北の上空に、もくもく真っ白な積乱雲を見上げた。



ひとときの自然の織りなす季節の姿を心で受け止めていた。

生き方に思いを巡らせたいときに、日橋川の清らかな水の流れを見に訪れることがある。
そんなとき、川の流れを眺め方丈記の一節を思う。

「 ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。
 世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。」



 特に あの巨大地震以降、無常観に沈み、ずいぶんうつろな日々を過ごした。
 いくらか落ち着きを取り戻しつつあるが、依然として原発の不安は消えないし、気を紛らせる毎日のような気がしている。

 縁あってお隣に住まれることになったMさん。その心をいつも気にかける日々だ。
 ふるさとでの平和な日々が一瞬のうちに失われた。
 一時帰宅では、すべて流されてしまった家の周りで、わずか3枚の写真を見つけてきたと聞いた。
鴨長明の方丈記には「三界ハ只心ヒトツナリ」ともある。
 どんな状況にあろうが、心の持ちようによって充実した人生がある。
 見つめざるをえない現実にも、前向きにと勇気づけたい気持ちを胸に、明るく挨拶を交わす毎日だ。
 こんな世の移ろいをぼんやり思い、これからの日本社会、世界、人間、そして一人一人の人生を思っている。

 また、良寛、道元,兼好、長明、賢治の世界に触れて、明日からの生き方を見つめてみたい。
 Man is mortal. 明日は知れぬいのちであることを再確認しながら。