エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

黄昏そむる 雲の色

2011-07-19 | 日々の生活
 

岸辺の緑 夏木立
榎葉蔭(えのきはかげ)の まどろみに
夕暮さそう 蜩の
果敢(はか)なき運命(さだめ) 呪いては
命の流れ 影あせて
あわれ淋し 水の面(も)に
黄昏(たそがれ)そむる 雲の色


大好きな寮歌の一節だ。
春寂寥 旧制松本高等学校寮歌
http://www.youtube.com/watch?v=ryeAgRe8-RM&feature=related
 
ときとして、自然は思いがけない美しさを表現してくれる。
その一つが黄昏の空の色、いつも巡る季節の夕空をながめる楽しみがある。

夕食中に、真っ赤な空が見えた。
余りの美しさに、カメラを手に庭に出た。しかし、空を撮るには、鬱蒼と茂る庭の木々が邪魔をした。
 すぐに2階へ上り空の雲を写した。こんなに美しい雲をながめたことはなかった。
 食事中の家族を全員呼んで、2階から西の空を仰いだ。
 台風の影響か、いつになく真っ赤に染まる夕日に、しばしみとれて佇んだ。
 雲の合間からの輝きは、かつて見たことのない希望溢るる輝きのような気がした。
 飯豊にかかる雲の色、これまた、初めて見る地球の美しさだった。







 折しも、蜩が鳴いた。
 自然と、寮歌の一節をつぶやいた。
”あわれ淋し 水の面に
   黄昏そむる 雲の色”

台風の成せる大気の織りなす技か、芸術的な黄昏に感動した。
 そsて、とうに過ぎ去りし青春が蘇ってきた。

 


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