大分涼しくなったが、日差しは強い。蚊に気をつけながら庭に出た。
今年も庭のアイが咲き始めた。黄菊や友禅菊も咲き、ムラサキシキブやサンショウの実が秋を告げている。
アイは30年になるだろうか、川俣の染織家山根さんのもとで草木染めを研修した際にいただいてきたもの。
ようやく過ごしやすくなった庭にピンクの花穂が風に揺れている。 毎年、種がこぼれて庭のあちこちに清楚な花を咲かせ続けている。
一時代、磐梯を描き、良寛の書をまねて藍染めのろうけつ染めに凝ったことがあった。
秋の風情にも、ホウセンカ、マツバギク、トラノオもまだ元気で咲いている。時折ミンミンゼミも鳴いている。
サンショウの実を撮っていたら、アゲハの終令幼虫を見つけた。 新生のオツネントンボがミソハギの茎に止まった。
ドウダンツツジに絡まったアオツヅラフジの青い実に見惚れてしまった。まるで巨峰ブドウのようで見事だ。
夏から秋へ、季節はゆっくり流れている。
いつまでも変わらない夏の暑さでは、きっと漫然と過ごしてしまうことだろう。四季の移ろいをあらためて思う。
世俗の煩わしい話は聞きたくない。しばらくは、虫の音を聞きながら、新しい季節の空気を楽しみたい。