アキノキリンソウ
日曜日の読者文芸欄に一つの短歌が目にとまった。
”家を売り去りたる跡に遠くより新しき家族来たりて住めり”
お隣に浜道りから避難されていたご一家が、つい最近、隣町に越されていった。
この歌に一致する境遇に、ご一家の新しい幸せな生活を祈らずにはいられなかった。
浜通りの故郷で津波にすべてを流され、原発に追われたご家族、実はご子息とは20年ぶりの思いがけない再会であった。
ご家族は日々を明るく過ごされておられたが、どんなにか辛い苦しい日々であったことだろうか。陰ながらの声援を送りたい気持ちで一杯だったが、何の力にもなれないもどかしい2年半だった。
これからご一家には慣れない雪の季節を迎える。どうか新転地にて、穏やかな幸せな日々を過ごされるよう心から祈っている。