気温は日中も相変わらず氷点下だが、風が無く穏やかに晴れ渡った。
厳しかった冬ともほどなくお別れ、久しぶりに雪の崎川浜に水鳥を訪ねた。
所々で飯豊の山並や磐梯の雄姿を眺める。厳寒に眺める山々は、いつも、筆舌に尽くしがたく麗しかった。
【飯豊の山並】
【広田からの磐梯】 【赤井からの磐梯】
そこここに、春の息吹が感じられるこの時期は、北へ帰る水鳥たちとの別れの季節でもある。
湖水に近づくと、静寂に「コーウ コーウ」と鳴き交うコハクチョウの切ない声が聞こえた。
こんなに美しい世界が何処にあるのだろうか。
猪苗代の湖水に遙か磐梯が浮かび、コハクチョウ、オナガガモが憩う。
この純粋無垢な大自然のいのちはあまりに清楚で美しかった。
今、彼女たちは北へ帰るときを感じての準備を始めた。ときどき羽ばたきし、集団で飛び立ち旋回、そして着水を繰り返していた。
今年もかなしい別れの季節が近づいた。
清らかな彼女たちの姿は美しく、切なく、愛おしい。