エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

春の女神ギフチョウ

2014-05-01 | 自然観察

                                  【今年も再会できた 春の女神 ギフチョウ】 

 今年は例年より雪も少なく春も早いようだ。
  天気予報はあまり芳しくない。曇りでときどき降るそうだった。
  庭で悠くんと遊んでいたらいい天気になった。ばあちゃんもじいのウズウズする気持ちを察してか、出かけてもいいと許可が下りた。

 明日に予定していた山の神の参拝、急遽準備して出かけることにした。

 もう一つの目的は、毎年恒例のギフチョウとの再会だ。
 心ない採集者立ちに会いたくないので、連休を避けるつもりでいた。

 いつものポイントに行った。 例年行き会うばあちゃんと立ち話をした。
 案の定、数日前に捕虫網を持った連中が来ていたという。

 昨年はこの時期はまだ峠は雪で通れなかった。昨年杉林の中にかなりの残雪があったが、今年はほんのわずか、

 所々に自生する食草コシノカンアオイを確認しながらカタクリの群生する場所を目指した。

 コシノカンアオイの花の大きいことに驚いた。もうミヤマカタバミやエゾエンゴサク、エンレイソウは咲いていた。

 例年気に止めなかったユキツバキが所々目だって咲いていた。

 突然、一頭のギフチョウがカタクリの花に止まった。
 よくも会いに来てくれた。今日会いに来てくれたのは2頭だった。嬉しかった。
 細々とこの狭い地域で生息するギフチョウが愛おしくてならない。

  コツバメ

 キバナアマナ
 
 遠く雷鳴がとどろいたと思ったら、じきに降り始めた。通り過ぎるまで約10~20分、杉林で雨をしのいだ。

 近くの山道を散策した。思いがけないものを見つけた。キスミレとイワカガミだ。

 もうツツジも咲いていた。近くの岩肌の所々に残雪が見えた。

  オオバキスミレ エゾエンゴサク

 イワカガミ

イカリソウ 

 エゾエンゴサク ミヤマキケマン

ユキツバキ モミジキイチゴ

アカネスミレ? 

  サンカヨウ 

  帰路、例年のように山の神へ寄った。大山祇神社の奥社への参拝は3年連続だ。

 空の駐車場をあとに、往復約10㎞、3時間を超える山道を一歩一歩踏みしめながら登った。

誰にも会わなかった。この大社は大倉山の八合目にあり、山頂には奥の院が祀られている。一度山頂まで登ってみたい。

 本社までの道、木々の緑、せせらぎ、目にするすべてがあまりに美しく、尊く、真民さんの言葉をつぶやきながら登った。

”限りある命だから
 蝉もこおろぎも
 一心に
 鳴いているのだ
 あんなに
 一心に
 咲いているのだ
 わたしも
 一心に
 生きねばならぬ ”                                                                                                


”二度とない人生だから
 一輪の花にも
 無限の愛をそそいでゆこう
 一羽の鳥の声にも
 無心の耳をかたむけてゆこう ”

 

  

  【まどろみ】                                    【出あい】                       【ぬくもり】

   

 矢作滝  不動滝 

 ミズバショウザゼンソウ

     イヌシデ  

 

 カタクリ

 エンレイソウ

石段202段  本社  

 スギタニルリシジミ

(ようやく撮った翅を開いたスギタニルリシジミ:昨年の同所)

 健康で登れる幸せに感謝した。帰りには両膝に痛みが来たが何とか戻ってこられた。

 今年も奥社手前のカタクリの群生に魅せられ、スギタニルリシジミにも会えた。吸水に止まったところを取ったが、根を広げてくれなかった。

 カタクリに吸密する理想的なギフチョウの写真を取ることが出来て満足だった。そうそう、オオルリに会えた。

 この絶滅が心配される早春の女神が、いつまでも見られることを願わずにはいられない。

(昨年とほとんど同じ清々しい自然体験、感動を記録にとどめる。)