深緑の季節4月に、待ちかねたヒメシロチョウが今年も元気な姿を見せてくれた。
かよわき彼女たちは元気に舞い、芽吹きはじめた田の土手の食草ツルフジバカマに産卵を繰り返していた。
思い出しながら、毎年のそんな光景を嬉しく思っている。
かつてはあちこちで見られたヒメシロチョウは、いまではほんの狭い地域で細々と生息、いつしか環境庁のレッドデータで絶滅危惧Ⅰ類に分類されてしまった。
今日、田植えの終わったヒメシロチョウの里を訪ねた。幼虫の様子を見に行ったが、案の定、その土手の草はきれいに刈られてしまった。
農家の人は、年に2,3度の草刈りは、米の大敵カメムシの発生を抑えるためと言う。
また、除草剤で黄ばんだ土手のツルフジバカマに孵化した卵の殻を見つけたが、幼虫は見られなかった。例年のことだが、寂しく暗澹たる気持ちだった.
枯れそうなツルフジバカマにヒメシロチョウの幼虫を見つけた。このままでは生長できないだろう。このいのちを、別の元気な株へ移してやった。
帰りがけに、たおやかに舞うウスバシロチョウと違う懐かしい白いチョウに出会った。
ヒメシロチョウだ。え~、もう2化が出たのだろうか.
自然豊かな会津だが、いつ絶滅してもおかしくはチョウやトンボがいる。
一度失われたら二度と戻らないのが自然のいのちだ。
精一杯に命をつなぐ小さな虫たちを守りたい。何とか命をつないでいるヒメシロチョウが愛おしくてならない。