昨日の午後、エゾタンポポの写真を撮りに東京からの来客があった。
ひょんなことから、つい数日前に触れ合った縁だ。エゾタンポポがまだ見られる会津へ・・・、と依頼された。
いただいたメールから、お客さんのホームページを見ると著名なタンポポ研究家だった。
エゾタンポポは何処でも咲いているが、なるべく【つぼみ~花~咲き終わり~冠毛】が観察できるところ、多少の群落があるところを案内したいと思った。
日頃、トンボやチョウに目が行ってあまりタンポポは気にしていなかったので、前日に下見をしに近くの里山の様子を見に行った。
開けたところではエゾより雑種タンポポが多いことが分かった。また、意外とセイヨウタンポポも少なく雑種に押されているようだった。
時期的にはセイヨウや雑種はもう花期を終え、エゾは遅いのでこれからのつぼみも十分あった。
タンポポ博士
数カ所を案内した。折角なので、自然を相手にしているお客さん、ヒメオドリコソウの群落やら、今盛んに発生しているエゾイトトンボの里や絶滅が心配なヒメシロチョウの里などもコースに入れた。そこにもエゾタンポポはいくらもある。
漆沢の群生地で見つけたシロバナ
オクウスギタンポポだろうか? 博士の言うには、エゾタンポポくさいと。カントウタンポポではシロバナがでることがあるらしい。
カラスビシャク
オドリコソウ
最後のヒメシロの里では少ない食草に集中して訪れたのだろう、びっしり産卵されたヒメシロチョウの卵を観察できた。
それにここは除草剤が使われたようで、元気がないツルフジバカマの成長が心配だった。
ヒメシロチョウの卵
シオヤトンボ♂
遠路わざわざこられたお客さんに、なんとか数カ所、季節の花々見てもらうことも出来た。
甲斐あって、思い道りのエゾタンポポの写真が撮れたようで満足して帰られた。
でも、残念なことが起こった。はじめに行ったウスバシロチョウの森で、タンポポ博士はカメラを落としてしまったのだ。
帰りに初めの撮影を始めた林へ戻った。カメラも高級だろうが、接写で写したデータがもったいなかった。
博士は3台のカメラを使っての撮影していた。一面フキの生える広い林の中、そのカメラで接写で写したのだろうタンポポの生える回りを懸命に探した。
でも二人で小1時間探したが、見つからなかった。 カメラをなくしたお客さんには気の毒でその場を去りがたかった。
しばらく時間のあるときに探しに行こうと思っている。どうしても見つからないときには、雪解けのころに目立つであろう「赤いカメラ」を見つけたいと思っている。
この広い林のどこかに、大事な「赤いカメラ」が待っている。
初めて会ったタンポポ博士とは意外な共通項もあった。出会い、縁とは不思議なものだと思った。
これからもいろいろ教えていただこうと思っている。