エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

赤いカメラが見つかった

2014-05-30 | 日々の生活

 一週間前、滝沢峠の自称ウスバシロの楽園で,東京からエゾタンポポの撮影にこられたタンポポ博士がカメラを落としてしまった。

カメラも防水、耐寒性の高性能デジカメだが、中の写したデータが失しなわれることが残念だった。

当日、次のタンポポ群生地へ向かいそこで落としたことに気づいた。計画通りにあちこち回って、帰りに林の中を探した。

夕方まで二人で探したが見つからなかった。あきらめきれなかったろうが博士は予定もあり翌朝早くに帰京した。

   

その後、4~5回その林の中を計画的に丹念に探したが、見つからなかった。

いよいよ見つからないときには、来春雪解けを待って・・・と思ったが、よく考えると枯れた草の下になり見つけられないだろう。

今日も朝9時過ぎに「赤いカメラ」を見つけに行った。途中、長原付近で高校生の隊列に出会った。

生徒たちは「ザベリオの森」に草刈りに行くとのこと。ふとカメラが頭をよぎった。

引率のT先生に行事のことを聞き、カメラのいきさつを藁をもつかみたい気持ちで話した。

快く理解して下さり、草刈り作業に入る前に生徒にも話しを伝えてくれた。

たまたま、年に一度の行事「ザベリオの森」、草刈りの場所も同じところだった。

お昼までの約1時間、全校170余名の高校生たちが広い林に展開し、草刈りをした。

でも残念ながら見つからなかった。先生方、生徒たちにお礼を言い別れた。

   

 

  

 

 帰宅し食事を終えたころ、ザベリオ学園高校のT先生から電話があった。

「カメラ見つかりました」「ふれあいの駐車場まで下って閉会式です。」と。 嬉しかった。最近にない喜びが、感激が湧いてきた。

生徒の到着を待ってT先生から、初めて見るタンポポ博士の「赤いカメラ」を受け取った。そして、生徒たち一人ひとりにお礼を言った。

事情を聞くと、昼休みの後、生徒が草刈りに使った鎌の数が足りなかったので、林に鎌を探しに戻ったところ、上の方でカメラを見つけたとのこと。

生徒が鎌を忘れなかったら、この赤いカメラは永久に見つからなかったかも知れない。 また、今日探しに行かなければ生徒たちにも逢わなかったかも知れない。

ともかく、幸運の重なり合いがあって、夢にまで見たカメラが見つかった。ありがたかった。

この朗報をタンポポ博士にすぐに電話連絡した。無論、博士の喜びは私どころではなかっただろう。

すぐに郵送したいと思う。

ザベリオ学園の先生、生徒の皆さん有り難うございました。 

以上が宝物発見のいきさつだ。

 

エゾタンポポもほとんど咲き終わり、綿毛が伸びていた。 今日もウスバシロチョウがたおやかに舞う山里はのどかだった。