エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

新生トンボ

2014-05-07 | 自然観察

 午前中、今週末の第1回「森で遊ぼう」の準備作業があった。 

いつものフィールド、林の入り口の松の木に「みんなの森」の看板が下がっていた。

 うっかりミスで、前回の作業に欠席してしまった。ジャガイモの植え付けやビオトープの修繕などがあった。

 今日の作業は、昨年子どもたちと一緒に造った「基地」の撤去と倒木類の撤去、そして下草刈りだ。

 チェーンソウや草刈り機の扱いの出来ない小生、手ノコで細めの木の除伐や倒され切られた木を近くの谷間へ運び捨てる作業に徹した。

 今日はいつもの面々10名の参加で、約2時間、すっかり森の中がきれいになった。今年も森の中で元気で子どもたちと遊んでいきたい。

   今年も始まる‘森で遊ぼう’

 作業を終え、強清水へリンゴの花を撮りに行った。

 連休最終日のきのうは、米沢の田沢へ蕎麦を食べ、小野川温泉に浸かった。その折り、リンゴの花が咲き誇っていたから。

米沢のリンゴ わざわざ食べに行く田沢のソバ

  田沢道の駅

 磐梯山を背景にリンゴの花を!ともくろんだのだが、残念ながらこちらはまだつぼみだった。遠く磐梯の雪形・虚無僧がさわやかに見えた。

 まだ早いつぼみ

 家への帰路、ヒメシロチョウの里へも寄った。
 はからずも、今年初めての新生トンボに出会った。シオヤトンボの未成熟な♂で、弱々しく羽が光っている羽化間もない個体が多かった。

 また、ヨツボシトンボの成熟したオスも現れた。前翅、後翅共の結束部分の褐色紋が何とも魅力的である。 

シオヤトンボ ヨツボシトンボ

 未だ水の入らない田の土手では、ヒメシロチョウの産卵が盛んに見られた。

 5.6cmに伸びてきたツルフジバカマを探しながら、時折ヒメオドリコソウやに吸蜜していた。

 このわずかな谷間で細々生き続けるヒメシロチョウの舞を見つめながら、また愛おしさがこみ上げてきた。

   おしりを曲げて産卵中

  ルリシジミ♀      エゾタンポポにオツネントンボ

  ゼンマイ   ヒトリシズカ

 いよいよトンボ、チョウ、虫たちの活動が始まった。

 

 


タンポポの観察

2014-05-03 | 自然観察

 

 市道から130m続く我が家までの私道は砂利道、両脇にタンポポが満開だ。

 街中は外来種のセイヨウタンポポがはびこり、在来のタンポポが少なくなったが、我が家への私道はセイヨウタンポポよりも在来種の方が多いようだ。 

  坂下の「さんたろうさん」がブログで「セイヨウタンポポは嫌いだ」とよく嘆いている。

  【 この地に住まいして40年、近所の数軒も今はみな老齢化して特に冬場の雪かきが大変だ。

     出来れば舗装し、市の除雪もお願いしたいと市への寄付を申し出ているが、らちがあかない。

     また、ここは生活道路、私道ではあるが地目は公共用道路、なのに固定資産税を払っている。

     せめて非課税・減免をお願いしているがこれまた聞いてくれない。世の中、不条理なことが多い。・・・《愚痴》 】

   愚痴も言いたくなるが、最高の天気に恵まれた連休初日、この道にびっしり咲くタンポポを観察した。

  むしろ、コンクリート道路よりいいかも知れない。

    
 
  明らかに在来種の方が花や葉が大きい。セイヨウタンポポの総苞外片は反り返るので在来種と区別できる。特につぼみは明らかに区別できる。

  在来種のエゾタンポポは北海道から北関東にかけて、カントウタンポポは、南東北から中部地方に分布している。

(ネットから)         エゾ?

   エゾタンポポ ?

エゾタンポポ ?

   セイヨウタンポポ

   これまで会津の在来種はエゾタンポポと思っていたが、文献によるとこの区別は総苞外片と内片の長さが違うようだ。                   

   そこで、何片かの外片と内片の長さを計ってみた。いずれも外片と内片の比約0.65前後だった。

   これはエゾの0.5とは違い、カントウの0.6~0.7に近いのでカントウタンポポのようだ。また、総苞片の三角の突起がある?のでカントウタンポポだろうか。

 でも、花が咲く前のつぼみ段階での外片部分はエゾのようでもある。  結論を出せないでいる。(以下の写真はとりあえずエゾ?と表記する)

   新しい事実も分かった。 つぼみのうちは総包がきちっとしているが、つぼみが膨らむにつれて、いくらか外片が開き、 

  大きな花を咲かせた後のしぼんだ段階の外片はみな90度前後に反り返っていた。  

    

   【 咲き始め (エゾ?タンポポ) 】                          【 咲き終わり(エゾ?タンポポ) 】 

 

セイヨウタンポポエゾ?タンポポ

【右から つぼみ  咲き始め  花  咲き終わり  綿毛出始め】                 【右から つぼみ 咲き始め  花  咲き終わり  綿毛出始め】

    

   【左から 咲き終わり  花  つぼみ  葉 (セイヨウタンポポ)】          【左から  花  花   咲き始め つぼみ  葉  (エゾ?タンポポ) 】

  すでに綿毛状態のものもあり、総苞内片もすっかりめくれている。

  虫眼鏡でじっくり観察したが、 綿毛の先に付く種は神の造りしもの、見事な構造に感心させられた。綿毛(冠毛)や種のデータも取ってみたい。

  エゾ?タンポポ

  これからは、身近な街や里山でのタンポポに注意を払ってみたいと思っている。

 

*********************************

  庭にカイドウ、ハナスオウ、ライラック、ボケ、ヤエヤマブキなどが咲いた。

 

  

  ツルニチニチソウ

 磐梯山の虚無僧雪形がくっきりしてきた。

 

 どうも日中は夏日25℃を越えたようだ。そのせいか、午後にわかに雲って風が吹き、夕方には雨降りとなった。

 


春の女神ギフチョウ

2014-05-01 | 自然観察

                                  【今年も再会できた 春の女神 ギフチョウ】 

 今年は例年より雪も少なく春も早いようだ。
  天気予報はあまり芳しくない。曇りでときどき降るそうだった。
  庭で悠くんと遊んでいたらいい天気になった。ばあちゃんもじいのウズウズする気持ちを察してか、出かけてもいいと許可が下りた。

 明日に予定していた山の神の参拝、急遽準備して出かけることにした。

 もう一つの目的は、毎年恒例のギフチョウとの再会だ。
 心ない採集者立ちに会いたくないので、連休を避けるつもりでいた。

 いつものポイントに行った。 例年行き会うばあちゃんと立ち話をした。
 案の定、数日前に捕虫網を持った連中が来ていたという。

 昨年はこの時期はまだ峠は雪で通れなかった。昨年杉林の中にかなりの残雪があったが、今年はほんのわずか、

 所々に自生する食草コシノカンアオイを確認しながらカタクリの群生する場所を目指した。

 コシノカンアオイの花の大きいことに驚いた。もうミヤマカタバミやエゾエンゴサク、エンレイソウは咲いていた。

 例年気に止めなかったユキツバキが所々目だって咲いていた。

 突然、一頭のギフチョウがカタクリの花に止まった。
 よくも会いに来てくれた。今日会いに来てくれたのは2頭だった。嬉しかった。
 細々とこの狭い地域で生息するギフチョウが愛おしくてならない。

  コツバメ

 キバナアマナ
 
 遠く雷鳴がとどろいたと思ったら、じきに降り始めた。通り過ぎるまで約10~20分、杉林で雨をしのいだ。

 近くの山道を散策した。思いがけないものを見つけた。キスミレとイワカガミだ。

 もうツツジも咲いていた。近くの岩肌の所々に残雪が見えた。

  オオバキスミレ エゾエンゴサク

 イワカガミ

イカリソウ 

 エゾエンゴサク ミヤマキケマン

ユキツバキ モミジキイチゴ

アカネスミレ? 

  サンカヨウ 

  帰路、例年のように山の神へ寄った。大山祇神社の奥社への参拝は3年連続だ。

 空の駐車場をあとに、往復約10㎞、3時間を超える山道を一歩一歩踏みしめながら登った。

誰にも会わなかった。この大社は大倉山の八合目にあり、山頂には奥の院が祀られている。一度山頂まで登ってみたい。

 本社までの道、木々の緑、せせらぎ、目にするすべてがあまりに美しく、尊く、真民さんの言葉をつぶやきながら登った。

”限りある命だから
 蝉もこおろぎも
 一心に
 鳴いているのだ
 あんなに
 一心に
 咲いているのだ
 わたしも
 一心に
 生きねばならぬ ”                                                                                                


”二度とない人生だから
 一輪の花にも
 無限の愛をそそいでゆこう
 一羽の鳥の声にも
 無心の耳をかたむけてゆこう ”

 

  

  【まどろみ】                                    【出あい】                       【ぬくもり】

   

 矢作滝  不動滝 

 ミズバショウザゼンソウ

     イヌシデ  

 

 カタクリ

 エンレイソウ

石段202段  本社  

 スギタニルリシジミ

(ようやく撮った翅を開いたスギタニルリシジミ:昨年の同所)

 健康で登れる幸せに感謝した。帰りには両膝に痛みが来たが何とか戻ってこられた。

 今年も奥社手前のカタクリの群生に魅せられ、スギタニルリシジミにも会えた。吸水に止まったところを取ったが、根を広げてくれなかった。

 カタクリに吸密する理想的なギフチョウの写真を取ることが出来て満足だった。そうそう、オオルリに会えた。

 この絶滅が心配される早春の女神が、いつまでも見られることを願わずにはいられない。

(昨年とほとんど同じ清々しい自然体験、感動を記録にとどめる。)