先週、「口太グレの『取り込み』に対しては、ここ近年で、ある程度の自信がついている」と書いたが、コレは何もカッコをつけて書いたワケではなく、「こんなボクでも経験と工夫によって、大型口太グレの取り込み率が上がっている」という意味で書いたつもりだ。そこで今回は、そのテクニック?(そんな大袈裟なものでもないけど…)について書いていこうと思う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/4c/9680acf35497dee189aa78f63b928997.jpg)
以前は多くの皆さんと同じようにボクも大きなグレはよくバラしていた。そんな釣りが変わったのは、やはり遠征釣行での経験が大きなキッカケだと思う。
近頃では遠征をしても「入れ食い」になる機会はかなり減っているが、それでもタマに出くわすことがある。そんな時は調子に乗って「切れても構わない」とばかりに、色々と試すことができるのだが、そうなると何となく見えてくるモノがあって、それが判ってから後は早かった。
そこで得た具体的なポイントを挙げてみると
1.竿はやや胴にかかり、全体的にキレイな円を描くように曲がる竿を使う
2.ハリスは50cm級が出る状態なら2号、45cm級が中心のところなら1.7号以上を使う
3.リールはレバーブレーキタイプの場合はドラグ付きを使う
4.糸は出さないと心掛ける。
5.竿を立てず、水平よりやや上の状態を保つ
6.魚の走る方向に竿を回す。
といった感じだ。
各個に説明していこう。
1.「操作性が良い先調子」と言われる竿とは反対側にある、いわゆる「胴にかかる調子」で、魚が掛かると竿が円を描くように大きく曲がり込んでいき、全体でグレの突進を受け止めた後は、ゆっくりと竿自体の反発力でその曲がりが起きてくるような竿を使うのが、こと取り込みだけを考えるとベストな選択だと思う。そんな竿は自重が重く、持った感じがダルに感じることが多いのだが、極端な話、このタイプの竿は角度を保持して、引きに耐えているだけで、取り込みの大事な部分を竿が勝手にこなしてくれるのだ。
(つまりは竿任せってこと!)
2.のハリスに関しての意見は「名人さん」から言えば、まだ太ハリスの部類なのかも知れないが、実際そのサイズの口太グレに対して引っ張り合いをしても、根ズレ等の外的要因を除けば「絶対に切られない」という、安全圏にあるハリスを使うという意味だ。それが自信に繋がって、強気のやり取りが可能になってくるのだ。
(自分の腕に合った保険をかけろっ!てこと)
3.4.は、カブるので同時に説明を。
以前のボクであれば、「竿の角度が悪ければ糸を出し…」というやり取りをしていたのだが、近年のドラグ&レバーブレーキ付きリールに出会ってからはスタイルが変わった。それは、少々角度が悪くてもリールを逆転させて糸を出すのではなく、そのままでレバーを握りしめて踏ん張り、「キチンと調整したドラグに任せた方が好結果を産む」ということに気が付いたからだ。以前に、どこかの名人さんが、「糸を出して獲れたためしがない」と言っていたのを思い出すが、まさしくその通りだと思う。
過去の、自分のバラシ・シーンを思い出してみても、「糸を出したが獲れなかった魚」は「糸を出さなければ獲れている」可能性が高く、「糸を出して獲った魚」も、実は「糸を出さなくても獲れていた」と、近頃では思えるようになっている。
「じゃー、レバーは要らないの?」と言うことにもなるのだろうけど、相手が口太グレだけだとすると、よそ見中に掛かって瞬間的にノされたような場合を除いては「無くても構わないのでは?」とも思っている。レバーブレーキは尾長グレやマダイ、そして青物のようにもっと足が速く、その時に使っているハリスに対して相手のパワーが上回っている場合には役立つので、装着している方がイイとは思うのだが…。
(強気の勝利なのだ!)
5.6.は連携した動きになるので、これも一緒に説明しよう。
必死のパッチでやり取りしていた頃は、ボクも竿を立て気味にしてやり取りをしていた。そして名人が「魚は引っ張られる方向とは逆に走る」と言っているのを聞いても「そんな余裕があるものか!」と思っていたのだが、離島での入れ食い時に「モノは試しに」とばかり、元竿部分の角度を水平より少し上(20~30度)の位置に保持することをイメージしつつ、「タメる向き」を横方向にしてみると、よく言われているように、魚がそんなに深く潜らないことを実体験した。そして、それからは意見が変わっていった。
それでも最初の内は途中まではそういったやり取りをしていても、魚が磯際に来てからは早く魚を上層に引き揚げようとするばかり、竿を立てすぎてしまい、それが逆効果となって突っ込まれ、バラすこともよくあった。しかし、試行錯誤の結果、沖での操作と同様の角度を保持したままで磯際で踏ん張っていれば、多くの場合で竿のパワーに負けた魚は磯際から離れてゆくことに気付くようになった。
そうなると逃げ場を失った魚は左右のどちらかに行くことが多くなるのだが、その動きを理解してからは、今度は竿の角度を保ったままで動いた方向に竿をワイパーのように回し、回し終えたら魚の頭を持ち上げるつもりで、それまでよりもやや竿を持ち上げ、テンションを強めながら同時にリールを巻いてやることで、より簡単に魚を上層に持ち上げることができるようになっていった。後は魚が反転したら竿をそれまでとは反対に回し、同じ作業を繰り返せば、ついには表層まで魚を持ってくることが出来るのだ。
ただし、一連の動作の間に相手にスキを見せるような時間=「何もしない時間」を作ってはイケナイ。相手の突っ込みが弱まれば、先回りするつもりですぐに次のアクションを起こさなくてはならないことを心掛けて欲しい。
(先手必勝なのだ!)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/f7/82fc852425cd0fdd332cd17057f9e160.jpg)
以上、文章で説明や表現をするのは難しいが、1.~6.の、言わば語り尽くされたような感もあるテクニック?を取り入れ、落ち着いて実行できるようになったおかげで、近年ではボクの中~大型口太グレ「バラシ率」は格段に下がっているのだ。勿論、今でも「ドーしようもないヤツ」に出会い、バラすこともあるので万全とは言えないし、磯のポイントは、それぞれが水深やシモリとの距離が違うので通用しない場面もあるだろう。しかし、同じことを繰り返していて「バラシしてばかり」が現状なら、「モノは試しだ!」とばかりに取り組む価値はあると思うのだが、どうだろうか?…。
文章ではイメージできなかった人のために前回掲載した、50.5cmを釣った際の実釣パターンを例にとって、紹介しておく。
足元の約2m先まで張り出したタナの3mあたり沖を流していたウキが、前アタリの後、ゆっくりとウキが沈んでゆく。
→アワセを入れると強烈な締め込みと同時に足元のタナ下に突っ込んできた。
→竿を水平より約20~30度上に保持して、レバーブレーキを握りしめたままで耐える。
→ジリッジリッとドラグが数回スピンする。
→竿に負けて行き場を失った口太グレがタナ沿いを左に向かって泳ぎ出す。
→竿の保持角度はそのままで、リールを巻ながらワイパーのごとく左へ竿を回す。
→それまでより竿をやや起こし、上方へのプレッシャーを掛けながら更にリールを巻く。
→それまでよりも上層に上がった口太グレが反転をする。
→今度は逆方向で先程と同じ作業を繰り返す。
→更に口太グレが上層に上がり、反転。
→作業を繰り返していると張り出したタナの上、水深30cmほどのところに口太グレが出てくる。
→ここからは竿をいっそう持ち上げて口太グレの頭を海面に出し、空気を吸わせて更に弱らせる。
→後ろに置いていた玉網を掴んで、そのまま「ネット・イン!」。
(この間、一回もリールを逆転させて、糸を出すことはなかった。)
と、こんな感じだった。イメージできたかな?。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/4c/9680acf35497dee189aa78f63b928997.jpg)
以前は多くの皆さんと同じようにボクも大きなグレはよくバラしていた。そんな釣りが変わったのは、やはり遠征釣行での経験が大きなキッカケだと思う。
近頃では遠征をしても「入れ食い」になる機会はかなり減っているが、それでもタマに出くわすことがある。そんな時は調子に乗って「切れても構わない」とばかりに、色々と試すことができるのだが、そうなると何となく見えてくるモノがあって、それが判ってから後は早かった。
そこで得た具体的なポイントを挙げてみると
1.竿はやや胴にかかり、全体的にキレイな円を描くように曲がる竿を使う
2.ハリスは50cm級が出る状態なら2号、45cm級が中心のところなら1.7号以上を使う
3.リールはレバーブレーキタイプの場合はドラグ付きを使う
4.糸は出さないと心掛ける。
5.竿を立てず、水平よりやや上の状態を保つ
6.魚の走る方向に竿を回す。
といった感じだ。
各個に説明していこう。
1.「操作性が良い先調子」と言われる竿とは反対側にある、いわゆる「胴にかかる調子」で、魚が掛かると竿が円を描くように大きく曲がり込んでいき、全体でグレの突進を受け止めた後は、ゆっくりと竿自体の反発力でその曲がりが起きてくるような竿を使うのが、こと取り込みだけを考えるとベストな選択だと思う。そんな竿は自重が重く、持った感じがダルに感じることが多いのだが、極端な話、このタイプの竿は角度を保持して、引きに耐えているだけで、取り込みの大事な部分を竿が勝手にこなしてくれるのだ。
(つまりは竿任せってこと!)
2.のハリスに関しての意見は「名人さん」から言えば、まだ太ハリスの部類なのかも知れないが、実際そのサイズの口太グレに対して引っ張り合いをしても、根ズレ等の外的要因を除けば「絶対に切られない」という、安全圏にあるハリスを使うという意味だ。それが自信に繋がって、強気のやり取りが可能になってくるのだ。
(自分の腕に合った保険をかけろっ!てこと)
3.4.は、カブるので同時に説明を。
以前のボクであれば、「竿の角度が悪ければ糸を出し…」というやり取りをしていたのだが、近年のドラグ&レバーブレーキ付きリールに出会ってからはスタイルが変わった。それは、少々角度が悪くてもリールを逆転させて糸を出すのではなく、そのままでレバーを握りしめて踏ん張り、「キチンと調整したドラグに任せた方が好結果を産む」ということに気が付いたからだ。以前に、どこかの名人さんが、「糸を出して獲れたためしがない」と言っていたのを思い出すが、まさしくその通りだと思う。
過去の、自分のバラシ・シーンを思い出してみても、「糸を出したが獲れなかった魚」は「糸を出さなければ獲れている」可能性が高く、「糸を出して獲った魚」も、実は「糸を出さなくても獲れていた」と、近頃では思えるようになっている。
「じゃー、レバーは要らないの?」と言うことにもなるのだろうけど、相手が口太グレだけだとすると、よそ見中に掛かって瞬間的にノされたような場合を除いては「無くても構わないのでは?」とも思っている。レバーブレーキは尾長グレやマダイ、そして青物のようにもっと足が速く、その時に使っているハリスに対して相手のパワーが上回っている場合には役立つので、装着している方がイイとは思うのだが…。
(強気の勝利なのだ!)
5.6.は連携した動きになるので、これも一緒に説明しよう。
必死のパッチでやり取りしていた頃は、ボクも竿を立て気味にしてやり取りをしていた。そして名人が「魚は引っ張られる方向とは逆に走る」と言っているのを聞いても「そんな余裕があるものか!」と思っていたのだが、離島での入れ食い時に「モノは試しに」とばかり、元竿部分の角度を水平より少し上(20~30度)の位置に保持することをイメージしつつ、「タメる向き」を横方向にしてみると、よく言われているように、魚がそんなに深く潜らないことを実体験した。そして、それからは意見が変わっていった。
それでも最初の内は途中まではそういったやり取りをしていても、魚が磯際に来てからは早く魚を上層に引き揚げようとするばかり、竿を立てすぎてしまい、それが逆効果となって突っ込まれ、バラすこともよくあった。しかし、試行錯誤の結果、沖での操作と同様の角度を保持したままで磯際で踏ん張っていれば、多くの場合で竿のパワーに負けた魚は磯際から離れてゆくことに気付くようになった。
そうなると逃げ場を失った魚は左右のどちらかに行くことが多くなるのだが、その動きを理解してからは、今度は竿の角度を保ったままで動いた方向に竿をワイパーのように回し、回し終えたら魚の頭を持ち上げるつもりで、それまでよりもやや竿を持ち上げ、テンションを強めながら同時にリールを巻いてやることで、より簡単に魚を上層に持ち上げることができるようになっていった。後は魚が反転したら竿をそれまでとは反対に回し、同じ作業を繰り返せば、ついには表層まで魚を持ってくることが出来るのだ。
ただし、一連の動作の間に相手にスキを見せるような時間=「何もしない時間」を作ってはイケナイ。相手の突っ込みが弱まれば、先回りするつもりですぐに次のアクションを起こさなくてはならないことを心掛けて欲しい。
(先手必勝なのだ!)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/f7/82fc852425cd0fdd332cd17057f9e160.jpg)
以上、文章で説明や表現をするのは難しいが、1.~6.の、言わば語り尽くされたような感もあるテクニック?を取り入れ、落ち着いて実行できるようになったおかげで、近年ではボクの中~大型口太グレ「バラシ率」は格段に下がっているのだ。勿論、今でも「ドーしようもないヤツ」に出会い、バラすこともあるので万全とは言えないし、磯のポイントは、それぞれが水深やシモリとの距離が違うので通用しない場面もあるだろう。しかし、同じことを繰り返していて「バラシしてばかり」が現状なら、「モノは試しだ!」とばかりに取り組む価値はあると思うのだが、どうだろうか?…。
文章ではイメージできなかった人のために前回掲載した、50.5cmを釣った際の実釣パターンを例にとって、紹介しておく。
足元の約2m先まで張り出したタナの3mあたり沖を流していたウキが、前アタリの後、ゆっくりとウキが沈んでゆく。
→アワセを入れると強烈な締め込みと同時に足元のタナ下に突っ込んできた。
→竿を水平より約20~30度上に保持して、レバーブレーキを握りしめたままで耐える。
→ジリッジリッとドラグが数回スピンする。
→竿に負けて行き場を失った口太グレがタナ沿いを左に向かって泳ぎ出す。
→竿の保持角度はそのままで、リールを巻ながらワイパーのごとく左へ竿を回す。
→それまでより竿をやや起こし、上方へのプレッシャーを掛けながら更にリールを巻く。
→それまでよりも上層に上がった口太グレが反転をする。
→今度は逆方向で先程と同じ作業を繰り返す。
→更に口太グレが上層に上がり、反転。
→作業を繰り返していると張り出したタナの上、水深30cmほどのところに口太グレが出てくる。
→ここからは竿をいっそう持ち上げて口太グレの頭を海面に出し、空気を吸わせて更に弱らせる。
→後ろに置いていた玉網を掴んで、そのまま「ネット・イン!」。
(この間、一回もリールを逆転させて、糸を出すことはなかった。)
と、こんな感じだった。イメージできたかな?。