中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

ルークさん再び

2012-04-21 12:30:00 | 音楽
■7ヶ月ぶりの来日■

 昨年9月に、TOTOの一時再結成ライヴを見に行ったことは、このブログでも触れたが、それに続いてこの4月、そのTOTOの元メンバーでリード・ギターを担当していたスティーヴ・ルカサー氏が、7ヶ月ぶりに今度はソロ・ツアーで日本にやって来た。
 この来日情報を得たのは昨年12月のことだったが、ボクと同じくTOTOファンである、妻と二人分のチケットを早速先行予約でゲット。その送られてきたチケットが、何と!前から4列目の好位置だっただけに、当日を待ち遠しく思いつつ、楽しみにしていた。
 そして、ついに大阪公演当日である4月12日がやってきた。場所は大阪城の北東側にある松下IMPホールだ。

●松下IMPホール●

 氏のことは別にボクなんかが説明しなくても、TOTOやソロでのグラミー賞受賞歴を始め、スタジオミュージシャンとして数多くをサポートした経歴を知る人も多いことだろう。言うなれば、80~90年代のエレクトリック・ギターサウンドの一つの指標となった、NO,1クラスのギタリストの一人だ。
 ギターは弾けずにドラムを叩く、エセ・ギター小僧(正確にはE・ギターの音マニア)であるボクにとっては、ルーク(=スティーヴ・ルカサー氏の愛称)さんは、神様的な存在。だから今回の来日はまさに「降臨」となるワケだ。

 ルークさんの関わったアルバムは、たくさん持っているが、ことギターの冴えという点でボクのお気に入りは、TOTOでの活動時よりも「ベイクドポテト・スーパーライヴ」やラリー・カールトンとの共作である、「ノー・サブスティテューションズ」のようなライヴハウスでのライヴ・レコーディング物なので、今回のIMPホールのような小さ目のホールでの演奏には期待が大であった。


■生ルークさん■

 当日の席は、ルークさんとの距離は最短時だと7~8mしか離れていない、絶好のポジション。演奏時間は約1時間45分、演奏途中での「お話」は英語のできる妻の通訳を聞きながら、フルに楽しんできた。

●会場前のポスター●

 ルークさんは、ただいま54歳。ライヴ中でも、ジョージ・ハリスンやジェフ・ポーカロのように亡くなった友人のことを話すような年になっているし、自身のことも「初めて日本に来たのは22歳の頃。(32年前)」「俺も年だからさ~。」なんて言っていた。
 しかし、何の何の!。ヴォーカルに関しては、一時の「ダミ声」は随分と解消され、特に本業のギターは、独特の太くサスティーンの効いたサウンドとウルトラなプレイは健在であり、世界でも有数のギタリストのままであった。
 そのルークさんをサポートするメンバーは当然、それに見合うだけの人達だ。キーボードのスティーヴ・ウェインガートは堅実プレーでサポートしていたし、ドラマーのエリック・ヴァレンタインの超絶ドラム・ソロも素晴らしかった。中でも紅一点(古~い表現!)の女性ベーシストであるレニー・ジョ-ンズの容姿は、「スーパー・モデル級」であり、「まさに才色兼備とはこのことである。」と、一人納得していた次第である。

 選曲は、TOTO時代の物は「Out Of Love」とアルバム「スルー・ザ・ルッキング・グラス」で取り上げていたカヴァー曲が2曲のみだから、実質的には1曲のみ。ほとんど自身がギターを弾くためのような曲で構成されていたから、ルークさんは思う存分弾きまくっていた。
 ルークさんの経歴の中には10万人、あるいはそれ以上の観客動員でのライヴも当たり前のようにある。そんな会場でのライヴ映像で見る「演奏することが楽しい!」と言わんばかりの笑顔と、今回のように400人くらいしか観客が居ない会場での笑顔に違いは感じられず、演奏に手抜きもない。
 その姿は、その昔、ギターを弾くことが大好きだった少年が、そのままオジさんになった姿だ。レベルは大層低いながらも、ボクのように少しは音楽をかじり、僅かにプロの世界を夢見た人間にとって、その姿は、まさしく若い時に夢見た「理想の年のとり方」の一つである。だからこそ、ボクは夢を具現化し、ギターを弾き続けるルークさんのパワーを受け取りたいし、その実ルークさんは様々な立場である会場の我々に、パワーを送り続けていた。
 
 アンコール後のラストの曲は「歌詞を思い浮かべて」と言いつつ、ナット・キング・コールの歌(作曲はチャールズ・チャップリン)でお馴染みの「スマイル(これもインストルメンタル・ヴァージョン)」をギターとキーボードのみでカヴァーして演奏していた。帰宅後、歌詞カードを確認したのだが、恐らく震災を含めた日本人に対するルークさんの思いが込められていて、感動は後からもやってきた次第である。
 
 何はともあれ、「日本好き?」とも言われているルークさんだけに、今後も来日があるだろうから、その際には「是非見に行きたい!」と思っていたら、来年(2013年)、再始動するTOTOでの来日公演を明言してアメリカに帰ったということだそうだ。その日が今から待ち遠しく思う今日この頃である。
コメント
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