中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

白石グリのヒラマサ

2013-05-11 12:30:00 | 船釣り・釣行記
■またもや白石グリへ■

 今から10年ほど前、若狭湾にヒラマサの回遊がほぼ確実にあった頃は、秋が本格化し始める頃に70cm前後の中型が冠島や白石グリの周辺に回遊し、一旦それが納まった後は、春本番になると、経ヶ岬沖の白石グリで1m前後の大型ヒラマサが回遊するというパターンがあったように記憶している。
 しかしその回遊量が減って久しく、ここ数年(船長の話では8年間ほど)の若狭湾では、ほとんど姿を見ることはなかったようだ。実のところ、ヒラマサが釣りたくて沖釣りを始めたボクにとってこの状況は、この釣りに対する興味までもが減退することに直結し、それがここ数年沖釣りから遠ざかっていた本当の理由だ。
 それが、どうしたことか昨秋、若狭湾周辺では70cm前後の中型ヒラマサが大量に回遊し、突然好調に釣れ始めたのだ。そしてそれ以降、一昔前の釣果パターンと同様に年明けてから下火となったので、「もしかすると春本番の大型も…。」と、密かに期待していたのだが、それに応えてくれたのか、4月の中旬以降、正体不明の魚にマダイ釣りの仕掛けが切られる事態が発生したのを皮切りに、下旬に入ると大型のヒラマサがチラホラとゲットされる様子が、各釣り船店の、ホームページの釣果欄に載るようになっていた。
 こうなると腰が浮いて落ち着かず、慌てて各沖釣り店の予約状況を確認したが、生憎マダイの乗っ込み期と重なっており、乗合の募集は受け付け終了になっている店が多くてなかなか予約が取れない。方々をあれこれ掛け合った結果、運良く以前にもこのブログで紹介した養老港発のMAYUMI丸さんに乗船することになった。

■実釣スタート■

 ポイント海域に着くと、やはり好調なだけに船数が多く、船長の位置取りのセンスが問われる場面だが、船長は無事浅場のラインに船を落ち着かせることに成功した。

●白石グリの周囲に集まる船団●

 当日の、ボクの釣法は当然?完全フカセ仕掛だ。セッティングした仕掛は、道糸がフロロカーボン製の6号。これに結んだ仕掛は8号ハリスの2本バリで、メーター級のヒラマサ対応としては細めに感じるかも知れないが、この時期の白石グリのヒラマサは他地域、他時期で釣るヒラマサに比べて何故か引きが弱いから、この太さを選んだ。
 道糸よりもハリスが太いが、6号→8号の差であれば引っ張り合いをすれば切れるのはハリスの方だから、これでバランスがとれている。(ハリスが10号の場合はバランスが逆転するので、道糸を太くした方がイイ。)
 ボクが使用する仕掛の全長は6mだが、これは12~15mの3本バリを使う釣り人が多い京都府下の若狭湾仕様の中では短い部類に入る。
 「長いハリスに本数の多いハリがついた仕掛は、投入直後の段階の馴染みがよい」と言われるが、短いハリスの2本バリ仕掛であっても、流し始めにリールから糸を強制的にたぐり出す=送り出しの量を多めにすることで、初期段階での馴染みの差をカバーできると思っているし、実際、並んだ釣り人に仕掛の長さが直接の原因で釣り負けたことは無いように記憶している。
 恐らく若狭湾では、天秤ズボ仕掛と併用しながら完全フカセ釣りが発達したことと、今やフロロカーボンの道糸を使う人がほとんどだが、初期段階ではナイロンの道糸を使う人が居たことが、仕掛が長くなった経緯だと思う。天秤ズボ釣りでは潮が速い場合やエサ取りとの関係で仕掛の全長を長くする必要があるし、比重が軽いナイロンの道糸を使った場合、比重の重いフロロカーボン製のハリス部を長くした方が馴染みがよくなるからだ。
 だが、隣の海域にある、福井県鷹巣~玄達沖の完全フカセ釣りでは、仕掛の長さは6mが標準だ。ここではオキアミエサを使う日中釣りの場合は、100%近い確率で完全フカセ釣りになるため、天秤ズボと併用せず、単独で発展してきたからこうなったのかも知れない。そしてそこでは、同じような水深という条件の中、6m、あるいはもっと短い仕掛を使ってヒラマサやマダイといった若狭湾と同じ魚種をバンバン釣っているのだ。
 何よりも短い仕掛はさばきが良く、取り込み=玉網への誘導が楽であるうえに、オマツリした際もほどき易い。また、仕掛を自作するボクにとってはコストダウンになることが有り難いので、完全フカセ釣りに於いては、この長さ以外の仕掛を使うつもりはない。

●ボクのタックル●


■まさかの一投目■

 アンカーを入れた直後の船の振れが納まって、マキエサの投入をする。すると、真下方向に落ちてゆくようで、ほとんど動きがないように見えた。なるべく早く仕掛を馴染ませたいが、水深は45mほどだと聞いていたので、最初の送り出しを25mとし、様子を伺うことにした。
 僅か25m仕掛けが馴染むのに7分近くもかかるという、ほとんど動かない潮であったが、幸いにも底潮には動きがあるようで、リールのカウンターで30mほどを過ぎたあたりから徐々にではあるが、流れるスピードが上がるようであった。
 そして40m付近を過ぎたあたりで突然リールが急速逆転を始め、同時にアラームが鳴った。まさかの、一投目からのアタリだった。
 アタリの出具合と初期の引きから想像して中型青物と確信する。

 
●まさしく青物の引き!●

 ハリスは太いので余裕はあるが、最初の一匹だけに、慎重に、自分の感覚を確認しながらのやり取りを開始した。
 船の下で執拗に締め込む様子からヒラマサと確信したが、そこでの攻防も難なくクリアして無事にゲットする。

 
●75cm級のヒラマサ●

 何とも幸先の良い、初っ端から中型ヒラマサの登場に俄然テンションもアップする。
 そして驚くことに、続いての2投目にもほぼ同じ距離でアタリが出て、65cm級のヒラマサを連続ゲットし、あまりの滑り出しの良さにほくそ笑んでいたのだが…。

■潮緩む中■

 その後、潮が緩み、エサ取りが増えてアタリが出なくなった。そこで、サルカンのすぐ上に発泡ウキという浮力体を装着して仕掛がエサ取りの上層を流れるようにして、35cmほどのイサギを追加するが、それ以降はアタリが途絶えた。そして、しばらくの間は、キビシイ時間帯が続いていた。
 そんな中、キャビン横の釣り人がアタリをキャッチし、大きく竿を曲げることになった。

●格闘中の釣り人●

 そして、ビックリ!。この釣り人がゲットしたのは1m近い大ヒラマサだったのだ。

 こうなると、「俺も!」との思いが強くなって、マキエサを打つ手にも力が入る。そして潮が動けばアタリが出て、動かなければアタリが止まるという、“ポツポツ”の状況ながら釣果が増えてゆくが、その中に待望の大型ヒラマサの姿はなかった。

●50cmほどのマダイ●

 一匹目から、かなり間が開いたが、次なる大型ヒラマサも先ほどの釣り人の手に落ちた。今度は90cmほどのサイズだ。

■夕刻に迫る中■

 時刻は夕方の4時になり、船長からも「ヒラマサは明るい内の勝負。」と聞かされていただけに、焦りはとうに過ぎて、諦めの境地に入っていた。
 「今日は、大型のヒラマサには縁がないのか…。」と、それを実際に、口に出してボヤいた瞬間、偶然と言うべきか、運命的と言うべきか、リールの急速逆転と共にアラームが鳴り響いたのだ。
 逆転するスプールを指で押さえてから(クラッチ保護のため、ボクはいつもそうしている)、クラッチをオン!。それと同時に80号の竿が根元から大きく絞り込まれていった。

●まさしくこれは…●

 強烈な走りに大型ヒラマサの引きと確信し、慎重にやり取りを開始する。
 掛かった距離は40m付近。水深は45mほどだから、少しは糸を出せるが、パニックになったヒラマサは水中の沈み岩の直近を走る習性があるので、長い距離を走られると糸が岩に擦れて飛んでしまう。そこで、道糸の伸びによるクッション吸収を考慮して、強めのドラグ設定で、まずは相手の弱りを待つことにする。
 そうしつつ、徐々に距離を詰めていったが、その分だけ道糸の伸び量が減るので、今度は少しずつドラグを緩めてのやり取りに移行する。しかし、相手はそれを見破ったのか、それとも船影を確認して恐怖を感じたのか、今度は船の下を抜けて釣り座と反対方向に走り出す。そのままでやり取りをするとスクリューや舵に触れて仕掛が飛んでしまうので、海中に竿を突っ込むことで回避し、そこから後も更に慎重なやり取りで相手との更に距離を詰めてゆく。
 そしてようやくゲット。久しぶりの大型ヒラマサとのご対面だ。

●8年ぶりの大型ヒラマサ●

●96cm!●

 大ヒラマサを釣ってから後も、ポツポツながらマダイが釣れて退屈はしなかった。しかし、目的が達成されているだけに、さしたる感動はなかったが、最後の一投までアタリがあって楽しい一日が終わった。


コメント
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