中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

京都一周トレイル(高雄~嵐山)

2013-12-07 12:30:00 | アウトドア・スポーツ
■京都一周トレイル■

 比叡山を始めとし、三方を山々に囲まれた京都市内。「この山々を歩こう。」と、今ではその山々を環状に巡るコースが整備されている。その名を”京都一周トレイル”と呼び、地元はもとより全国各地の多くのハイカーがこの道を歩いている。勿論、京都のことだから、観光地もコースに含まれており、そこに立ち寄りつつ歩くことが出来るので、普通のハイキングコースとは違った趣がある。
 今回は、その中でも秋本番に見応えのある紅葉景色が広がる、高雄~嵐山間を歩くコースを選び、歩いてきた。

●コースの看板●

●この区間の多くは東海自然歩道とコースを共有する●

 コースの殆どが、清流・清滝川沿いをあることになるので、山水を取り混ぜた風景を眺めながら進んでゆくことになる。

●景観は素晴らしい●


■清滝まで■

 このコースでは、清滝という地区が中間点になるが、ここに近付くにつれて、河原が岩盤質になり、そこを削った道取りなってくる。

●沈下橋(増水時は越せそうにない)●

 コース上では当然、歩きながら紅葉する木々を意識するのだが、どうしても川沿いの木々に掛かるゴミの様子に目を奪われてしまう。
 皆さんの記憶にもあるであろう、今夏の、嵐山の水害。あのとき嵐山を襲ったのは桂川の氾濫だったが、その桂川は上流で保津川と清滝川が合流したところからの呼び名だ。従って、その際の、清滝川の増水は凄まじかったらしく、はるか4~5mもの高さに掛かる数々のゴミによってその様子が想像できるのだ。

●渓谷に差し込む陽●

 途中、染み出す湧水によって濡れている石も多く、滑り易いから足下には要注意。実際に対向してきた中高年(ボクもそうだけど…)グループの1人が目の前で転倒し、大騒ぎになっていた程だ。
 そして、さしたる疲労感を感じる登りもないままに清滝に到着する。

●清滝の紅葉風景●

 清滝は車に乗ってダイレクトで到達できることもあって、結構な数の家族連れの車やツーリング中のバイクが来ていた。
 ここにはトイレもあるので、休憩にはもってこいの場所だ。


■落合周辺■

 清滝から再び川沿いを歩き、次の分岐点が落合という地区になる。

●落合の分岐標識●

 ここから一旦右に折れ、橋とトンネルを進んだ先にあるのが川下りで有名な保津峡になる。そして展望ポイントに出るにはトンネルを出てすぐに左に回り込んでゆく必要がある。
 絶景ポイントの一つでもあり、分岐点からもそう遠い距離ではないので、是非立ち寄りたいポイントだ。

●展望ポイントから見下ろす、保津川下り●


■鳥居本~嵐山■

 落合の分岐に戻ると、そこから先は六丁峠が控えている。この峠は今回のコース中一番きつい傾斜なのだが、そんなに大したモノではない。登山路等ではなく、舗装された車道を歩くしかルートがないのだが、そこそこの数の車やバイクが通過するので注意が必要だ。
 そこを越え、たどり着くのが鳥居本になる。
 鳥居本は清滝近くにある、愛宕山頂の愛宕神社参りの際に立ち寄る休息地として栄えてきたそうだ。愛宕神社と言えば、安土桃山時代に主君織田信長に謀反する直前に、明智光秀がこの神社を参拝し「ときは今 あめが下しる 五月哉(さつきかな)」と発句したことで有名だ。
 鳥居本の町並みは古くからの物が残っており、保全地区となっているそうだ。街道には茶店や食事何処、土産物屋がポツポツと並んでいるのだが、六丁峠方向からであれば一番手前の鳥居脇にある平野屋が殊に有名で観光ガイドなどにもよく登場する。

●平野屋●

 今回のコースでは丁度休息時間と重なることもあって、その平野屋に立ち寄ることにした。
 日も傾き始め、冷え込みを感じるようになっていたので、店内に設置されている囲炉裏の暖かさはこの上なく有り難い。ここの名物は「志んこ餅」と聞いていたので、抹茶とのセットで注文した。

●愛宕山名物「志んこ餅」●

 ニッキ、黒糖がほどよくブレンドされたきな粉を着けて食べる味わいは、素朴でありながら味わい深いモノであった。

 平野屋を後にすると、化野に入る。そして嵯峨野方面へ。

●化野(あだしの)念仏寺近くの道標●

 嵯峨野に入ると、落柿舎(らくししゃ)の脇をかすめて進んでゆく。この落柿舎の主は元禄の俳人で、松尾芭蕉の高弟である向井去来。芭蕉自身も三度訪問したことがある、由緒ある庵だ。

●落柿舎の、“まさに落ちんばかり”の柿●


 嵯峨野を過ぎ、嵐山の天龍寺門前あたりでは思うように歩けなくなるような人並みになり、秋の観光シーズンでごった返す渡月橋を渡って、スタート地点の阪急嵐山駅に到着し、予定していたコースを歩き終えた。


 今回は、晩秋には最適のコースを辿ることができた。観光客で混雑する区間もあったが、それはごく一部に限られ、歩かなければ見られない風景もあって満足のゆく内容だった。
 京都一周トレイルには魅力的なスポットが盛り込まれており、”続いて歩きたい”コースとなった。季節ごとに適した風景があるだろうから、それに合わせて全てを踏破したいものだ。

コメント
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