「電源まわりの話 ~その2」から
■電動リールをパワーアップ■
電動リールの持てるパワーをフルに引き出すためには、搭載されたモーターの許容範囲内において、電圧が高くて下がり難い電源が必要になる。(「当然の知識」と思っている人には、つまらない説明だけど…。)
調べてみると、12V(定格)の鉛畜バッテリーは、ベスト・コンディションであれば、満充電時の電圧が「13Vチョイ」程度で、40~50%使用した時点で12Vあたりまで下がるのだそうだ。因みに、それ以上使用すると電極がダメージを受け始め、ヘタをすると充電しても回復し辛くなくなるそうだから、容量に関しては使用する電動リールに合わせ、余裕を持たせて選択する必要があるということになる。そして、段々と電圧が下がるということは、実釣中に、徐々に巻き上げ力が落ちているということになる。
ダイワ製電動リールの説明書を見ると、対応電圧が12~16.8Vで、シマノの場合は表示が違って使用電源保証範囲が12~14.8Vとなっている。シマノの純正電源の電力丸の電圧は定格で14.8V表示だが、実釣時の、実際の電圧はそれ以上あるはずだから、数値が合わないので、念のためシマノお客様相談窓口で問い合わせてみた。そこでの説明で、シマノの指定電圧は定格であって、実際の対応電圧範囲はダイワと同等だということが確認できた。
上記のバッテリー電圧と電動リールの対応電圧を照らし合わせてみると、「12V(定格)鉛畜バッテリー使用下では、最下限やや上~最下限に向かってのパワーしか出ていない。」ということになる。そして、その反対が実用電圧で16.8~14.8V(4セルタイプ)という、リチウム系電池だということになるのだ。
このリチウム系電池はご存じのように軽量でもあるので電源の理想型に近いが、大変高価であるし、過充電や過放電等、扱いを間違えると寿命が極端に短くなるのが難点だ。
「他に方法はないモノか?」と模索するうちに出会ったのが、サンヨーテクニカ社のハイパーレギュレターという商品だった。
このレギュレターは12V(定格)の電源を15Vまで昇圧し、安定出力させるユニットで、これ自体が電力を出すわけではない。従って何らかの電源とリールとの間に挟み入れて使用するのだが、供給元の電源は12Vであれば、船内電源でもバッテリーでも構わない。ボクの場合はタックルボックス(VW-2055)内の、自前のバッテリーにつなげているが、これは、「防水構造とは言え、機器を濡らしたくない。」や、「大型ヒラマサとのやり取り等で、釣り座の移動が必要な際にはボックス一つを持てば移動できる」といった理由からそうしている。
残念ながらこの商品、現在は廃盤となっているので、中古品やデッドストック物をヤフオク等で探さなければならないが、ボクの場合は新品が保証無しという条件ながら、¥5000円という、驚きの価格で手に入ったため、ラッキーだった。
15V級電源と12V級電源との差は歴然で、乗合船で隣り合わせた釣り人が、ボクが使うリールの巻き上げ力や回収スピードを見て、「何でそんなにパワーがあるの(早いの)?。」と、よく聞いてくるほどだ。手に入り辛いレギュレターではなく、(価格は高いが)現在市販されている14.8V(定格)のリチウム系電池が電源であれば、初期電圧がもっと高いので、これ以上に差がつく。
だが、「昇圧トランスを入れて、リチウム系電池に近い電圧にしている。」と説明してもピンと来る人は少ない。関東の、深場のスルメイカ釣りファンの間では当たり前の話になっているようだが、僕の乗る関西圏の乗合船では船内電源派が圧倒的で、電源に対する意識は低いので、仕方のない話なのだが…。
実際に、ダイワの電動リールのカタログには14.8V(定格)のリチウム系電池を使用した際の、パワーアップした数値が()内に表示されているし、シマノでも控えめながら、自社が販売する電力丸というリチウム系電池の説明欄に「今、お使いの電動リールのパワーが約20%アップ(鉛バッテリーに対して)」と表示されているので、メーカーとしては効果を認めているのは事実だ。しかしながら「何故、大々的に謳わないのか?」というところに疑問が残る。恐らくそのあたりの消極さが原因で15V級電源の効果が全国的に認知されない理由なのかも知れないし、ハイパーレギュレターの終売も、その効果の周知徹底不足が原因だと思う。
また、よく言われる「高価だから。」という理由は、最上級クラスのリールを何台も導入できる釣り人であっても、何故か船内電源を利用している釣り人が多いので、普及しない理由の本筋ではないように思う。
回収時のスピードアップは手返しの増加につながり、パワーアップはやり取りに余裕を与えてくれる。一度味わえばその差は歴然なのに、もったいない話だ。バッテリーも釣具の一つなのに…。
■まだまだ模索中■
これまでに書いた電源ボックス兼タックルボックスを一応は気に入って実釣時には足下に置いているが、まだまだ不満があるのは確かだ。その第一は、バッテリーが20Ahクラスの玄達仕様だと10kgを軽く越えてしまう総重量だが、これを軽量化するにはリチウム系電池の導入しか道は無いようだ。ここまでかかった経費をトータルしてみると、バカな話だが、初めっからそれを購入しておいてもそんなに大差はなかった。「『あーでもない、こーでもない。』と、遊べただけイイじゃないか。」と、自分を納得させてはみたものの、「思いはすでにリチウム系電池へ…。」となって、既に研究も開始している。だがそれは、メーカー指定品を含めて一筋縄とはいかない世界のようだ。そのあたりは、いずれ導入した際に書こうと思っている。
最後に当然の話だが、「電動リール用電源は、自己責任で選択すること!。」と、ことわっておく。
■電動リールをパワーアップ■
電動リールの持てるパワーをフルに引き出すためには、搭載されたモーターの許容範囲内において、電圧が高くて下がり難い電源が必要になる。(「当然の知識」と思っている人には、つまらない説明だけど…。)
調べてみると、12V(定格)の鉛畜バッテリーは、ベスト・コンディションであれば、満充電時の電圧が「13Vチョイ」程度で、40~50%使用した時点で12Vあたりまで下がるのだそうだ。因みに、それ以上使用すると電極がダメージを受け始め、ヘタをすると充電しても回復し辛くなくなるそうだから、容量に関しては使用する電動リールに合わせ、余裕を持たせて選択する必要があるということになる。そして、段々と電圧が下がるということは、実釣中に、徐々に巻き上げ力が落ちているということになる。
ダイワ製電動リールの説明書を見ると、対応電圧が12~16.8Vで、シマノの場合は表示が違って使用電源保証範囲が12~14.8Vとなっている。シマノの純正電源の電力丸の電圧は定格で14.8V表示だが、実釣時の、実際の電圧はそれ以上あるはずだから、数値が合わないので、念のためシマノお客様相談窓口で問い合わせてみた。そこでの説明で、シマノの指定電圧は定格であって、実際の対応電圧範囲はダイワと同等だということが確認できた。
上記のバッテリー電圧と電動リールの対応電圧を照らし合わせてみると、「12V(定格)鉛畜バッテリー使用下では、最下限やや上~最下限に向かってのパワーしか出ていない。」ということになる。そして、その反対が実用電圧で16.8~14.8V(4セルタイプ)という、リチウム系電池だということになるのだ。
このリチウム系電池はご存じのように軽量でもあるので電源の理想型に近いが、大変高価であるし、過充電や過放電等、扱いを間違えると寿命が極端に短くなるのが難点だ。
「他に方法はないモノか?」と模索するうちに出会ったのが、サンヨーテクニカ社のハイパーレギュレターという商品だった。
●サンヨーテクニカ社のハイパーレギュレター●
このレギュレターは12V(定格)の電源を15Vまで昇圧し、安定出力させるユニットで、これ自体が電力を出すわけではない。従って何らかの電源とリールとの間に挟み入れて使用するのだが、供給元の電源は12Vであれば、船内電源でもバッテリーでも構わない。ボクの場合はタックルボックス(VW-2055)内の、自前のバッテリーにつなげているが、これは、「防水構造とは言え、機器を濡らしたくない。」や、「大型ヒラマサとのやり取り等で、釣り座の移動が必要な際にはボックス一つを持てば移動できる」といった理由からそうしている。
残念ながらこの商品、現在は廃盤となっているので、中古品やデッドストック物をヤフオク等で探さなければならないが、ボクの場合は新品が保証無しという条件ながら、¥5000円という、驚きの価格で手に入ったため、ラッキーだった。
15V級電源と12V級電源との差は歴然で、乗合船で隣り合わせた釣り人が、ボクが使うリールの巻き上げ力や回収スピードを見て、「何でそんなにパワーがあるの(早いの)?。」と、よく聞いてくるほどだ。手に入り辛いレギュレターではなく、(価格は高いが)現在市販されている14.8V(定格)のリチウム系電池が電源であれば、初期電圧がもっと高いので、これ以上に差がつく。
だが、「昇圧トランスを入れて、リチウム系電池に近い電圧にしている。」と説明してもピンと来る人は少ない。関東の、深場のスルメイカ釣りファンの間では当たり前の話になっているようだが、僕の乗る関西圏の乗合船では船内電源派が圧倒的で、電源に対する意識は低いので、仕方のない話なのだが…。
実際に、ダイワの電動リールのカタログには14.8V(定格)のリチウム系電池を使用した際の、パワーアップした数値が()内に表示されているし、シマノでも控えめながら、自社が販売する電力丸というリチウム系電池の説明欄に「今、お使いの電動リールのパワーが約20%アップ(鉛バッテリーに対して)」と表示されているので、メーカーとしては効果を認めているのは事実だ。しかしながら「何故、大々的に謳わないのか?」というところに疑問が残る。恐らくそのあたりの消極さが原因で15V級電源の効果が全国的に認知されない理由なのかも知れないし、ハイパーレギュレターの終売も、その効果の周知徹底不足が原因だと思う。
また、よく言われる「高価だから。」という理由は、最上級クラスのリールを何台も導入できる釣り人であっても、何故か船内電源を利用している釣り人が多いので、普及しない理由の本筋ではないように思う。
回収時のスピードアップは手返しの増加につながり、パワーアップはやり取りに余裕を与えてくれる。一度味わえばその差は歴然なのに、もったいない話だ。バッテリーも釣具の一つなのに…。
●電源系が納まった、VW-2055のメイン収納庫●
■まだまだ模索中■
これまでに書いた電源ボックス兼タックルボックスを一応は気に入って実釣時には足下に置いているが、まだまだ不満があるのは確かだ。その第一は、バッテリーが20Ahクラスの玄達仕様だと10kgを軽く越えてしまう総重量だが、これを軽量化するにはリチウム系電池の導入しか道は無いようだ。ここまでかかった経費をトータルしてみると、バカな話だが、初めっからそれを購入しておいてもそんなに大差はなかった。「『あーでもない、こーでもない。』と、遊べただけイイじゃないか。」と、自分を納得させてはみたものの、「思いはすでにリチウム系電池へ…。」となって、既に研究も開始している。だがそれは、メーカー指定品を含めて一筋縄とはいかない世界のようだ。そのあたりは、いずれ導入した際に書こうと思っている。
最後に当然の話だが、「電動リール用電源は、自己責任で選択すること!。」と、ことわっておく。