中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

京都の敵を兵庫で討つ

2016-05-21 12:30:00 | 船釣り・釣行記
■初めての海域■

 前回で触れたように、失意のうちに白石グリを後にしてからは、悶々とする日々を過ごしていたが、それが癒え始めた一週間後、ボクにとって初めて海域に向かった。

 向かったのは兵庫県北部の但馬海岸にある、柴山という地区だ。ここを知ったのは数年前で、情報源はインターネットの釣果欄だったが、春~初夏はオキアミエサの完全フカセで、初秋~秋本番は落とし込みで80cmオーバーのヒラマサが狙え、釣果もコンスタントに出るようだった。しかしながら、この地区の遊漁船は数が少なく、乗船者側の競争率が高いため、基本的にカレンダーの赤いところしか釣行できないボクの場合は、予約が全くとれない状況で数年間待っていた。
 今回、第三豊洋丸さんに、たまたまキャンセルが出たようだったので、急遽予約を入れて釣り座を確保した次第だ。

●待機中の第三豊洋丸●


■好スタート■

 出航後に、「あっちの方が、その昔、釣りサンデーの取材で行った三尾の磯か…。」、「あっちの方が、一昨年にメダイを狙いに行った津居山の方か…。」と、思いを馳せていたが、アッという間にポイントの到着。ものの10分もかかっていないため、何となく拍子抜けするようなしないような…。とにかく近ければ、実釣時間も増えるので有り難い。

●出港地が丸見えの近さ●

 時間に余裕がなかったので、慌てて準備開始。潮は南東から北西へ、100m流すのに10分の速さで流れており、ほぼ理想の流速だったが、風が西方向から吹いていた。開始時は風・潮の微妙なバランスで船尾は北に向いていたが、バランスが崩れると“恐怖のアンカー潮”になるため、そうならないよう祈るばかりの状況だった。
 
●今シーズンのタックルセッティングで●

 仕掛は、いつもと同じ、道糸7号に、ハリス8号6mの2本バリをBB入りスイベルの0号で連結しただけのシンプルなモノ。これをまずは25mの送り出しで流し始めた。
 すると、85mで道糸が軽く走る。さほどの抵抗感はなかったが、一投目からのアタリに気を良くしつつ、難なくゲット。正体は何と尾長グレだった。

●41cmの尾長グレ●

 「2号以下のハリスで磯から釣ると面白いサイズやなぁ。」と思いつつ、磯釣りの経験から、「この魚は、潮具合が悪ければ全く口を使わない魚だ。」と解っていたから、次の流しにも俄然、力が入る。そして続いての流しでもほぼ同寸の尾長グレをゲットする。
 やや潮流が速まったような気がしたので、送り出しを35mにしてみると、大きく道糸が走って、アワセを入れると、それまでよりは多少大きめに竿が曲がり込んでいった。

●心地良い曲がり●

 コンコンと竿を叩く様子から、そこそこサイズのマダイと判断。そしてその通りにゲットした。

●58cmのマダイ●

 続いて同じセッティングで、小型のマダイをゲットする。

 狙っている瀬の水深は27mほどだった。マキエサに反応して浮いてくるグレ類の方か、マダイの方かどちらのタナに大本命のヒラマサが突っ込んで来るのか迷ったが、優柔不断にも「中間かな?。」と思い、送り出しの量を30mにしてみることにした。
 そしてこの状態で流し始めた仕掛が102mに差し掛かった時に、「ブーンッ!」と、道糸がはじけ飛んでいった。続いてのキョーレツな引きから良型のヒラマサと判断し、前回の教訓から「心して」の、やり取りの体勢に入った。 

●大きく曲がる竿●

 ボクの釣り座から90m先あたりに何かあるらしく、相手はそこで執拗に締め込んでくる。いつものように道糸を引き抜いてリール側に送り込んで対処するが、引きもさることながら重量感が半端ではないため、「何か様子がおかしい?。」と、思っていたが、約80mまで寄せた段階で「クチュンッ」という、何かが抜けるような感触が伝わってきた。そしてそこからは重量感は減るが、走りの距離が増える傾向になったため、どうやら当初はダブルで掛かっていたのが、口切れを起こして1本外れたかのようだ。しかし、それでも強い引きであることは変わらないので、慎重に相手との距離を詰めていく。
 やがて足下の水深分である50mを切るに至ったが、前回の教訓から、ここからはドラグを少し緩めて更に距離を詰めていった。そして、電動巻き上げが停止してからはドラグセッティングを更に緩めて「指でスプールを押さえて竿を持ち上げる→竿先を下げながら巻き取る」手順でポンピングをし、前回の失敗区間を無事に通過して、玉網内に導入することに成功した。

●スケール計測で90cm!のヒラマサ●

 そして、続いての流しでは小型のマダイをゲットするに至る。


■アンカー潮に■

 ここまで空くじ無しの6連発。出来過ぎのスタートダッシュだったが、気付けば懸念していたように徐々に船位が変化して、朝一番からの勢いは無くなった。そして、左側に並ぶ人達とオマツリするようになってきた。
 こうなるとボクの釣り座からは流すのも遠慮気味になって、アタリを取ることが難しくなってくる。そんな中、最左列に入った釣り人が81cmのヒラマサをゲットしたが、しばらく間を置いてもう一度その釣り人が掛け、それをバラしてからは全くアタリが途絶えるようになった。
 そして、船位は更に変化して、とうとうアンカー潮になってしまい、我慢の時間帯に入っていった。
 そんな中、船長は船位と潮のバランスが変わると、瀬から近付けたり、遠ざけたり、何とかウマく流せるよう調整してくれたが、ポツンとボクが中小型のマダイのアタリを取っても他に続くアタリはほとんど無く、“一アンカー投入で一魚”状態でで刻々と時間が過ぎていった。

●ポツポツとアタる、中小型マダイ●


■更に酷くなる状況■

 そうこうするうちに潮が北からの流れに変わり始め、何とかウマく流せるようにはなってはきたが、エサはほとんど盗られず、どうも様子がおかしい。どうやら底潮が止まっているようだ。
 試しに重めのオモリを入れて沈ませて強制的に底潮に馴染ませてみると、時折エサが盗られるので、そこを中心に探っていくと、一度だけポツンとアタリを取ることに成功したが、これまた小型のマダイだった。
 「かくなる上は。」と、カゴを取り出して“カゴフカセ”仕掛に変更して底潮でマキエサを振ってみたが、エサが盗られるだけで何も起こらず、尻すぼみのままで納竿時間となってしまった。


■攻めたいポイントの一つに■

 当日は気まぐれな潮のため、実質は2時間以内で終わった感のある釣りだったが、それでも魚影の濃さを感じた一日だった。船長に確認してみると、例年の最長寸は95cmほどということだったが、バラす人も多いようなので実際のポテンシャルはもう少し上のようにも思える。
 そんなこんなでボク的には、「潮さえ合えば、メーターオーバーのように“超”は付かないものの、そこそこの大型が堅実に出てくれる地区」として、今後も竿出ししてゆきたい地区の一つになった。
 “京都の敵を兵庫で討つ”カタチとなって、前週の失敗を多少は取り戻した気にはなっているが、1本出た程度では、充実感を得るほどに心は晴れていはない。
 帽子を車内に忘れたために、日焼けでヒリヒリと痛む頭の皮を撫でつつ、「スカッと痛快な一日」が来ることを願って今後もチャレンジは続けてゆく。
コメント (6)
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