団塊オヤジの短編小説goo

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都月満夫の短編小説集2

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都月満夫の短編小説集

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「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
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「逢縁機縁」
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「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
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「桜の花が咲いた夜」
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「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」

「目に青葉 山郭公 初松魚・ホトトギス」について考える

2012-05-13 11:27:10 | 雑学・豆知識・うんちく・小ネタ

5月にはいってぐずついた天気がつついていましたが、5月といえば思い出されるのは、「目に青葉 山郭公初松魚」ではないでしょうか。

これは、江戸時代の俳人、山口素堂の俳句で、正確な引用としては、「目には青葉 山郭公(やまほととぎす) 初松魚(はつがつお)」です。

ですから、「目には青葉」が本来の句本来なのです。

「目には青葉」では字余りなので、語呂よく「目に青葉」となったようです。

やまぐち‐そどう【山口素堂】

16421716]江戸前・中期の俳人。甲斐の人。名は信章。別号、其日庵・素仙堂など。江戸や京都で漢学・和歌・書道・俳諧・茶道・能楽などを学ぶ。のち、江戸で芭蕉と親交を結び、蕉風の成立に貢献した。葛飾風の祖。著「とくとくの句合」など。

大辞泉

2ホトトギス」は、日本では古くから様々な文書に登場しますが、「杜鵑」、「時鳥」、「子規」、「不如帰」、「杜宇」、「蜀魂」、「田鵑」などの漢字表記や異名が多いことで知られます。

ここまでで、「おや?」と思った方はいらっしゃいますか。

山郭公(やまほととぎす)おかしくありませんか。「郭公」は、平安時代以降「ほととぎす」と読まれていましたが、現在は「かっこう」と読むのが普通です。現在、「ホトトギス」は「杜鵑」と書きます。

「ホトトギス」は、5月中旬ごろ、九州以北に夏鳥として渡来するが、九州と北海道では少ないようです。私は見たことがありません。

「ホトトギス」の鳴き声は、江戸時代になると「ホンゾンカケタカ(本尊かけたか)」、「ウブユカケタカ(産湯かけたか)」、江戸時代後期には「テッペンカケタカ(天辺かけたか)」、第二次世界大戦後は、「トウキョウトッキョキョカキョク(東京特許許可局)」の聞きなし(鳥の鳴き声を人の言葉に置き換えて表すこと)でお馴染みです。

「ホトトギス」の名前の由来が、この鳴き声だとしたらどうでしょう。結びつきませんがホトトギスの仲間の鳴き声を「ホトホト」と表現した文献があるそうです。

カッコウとホトトギスの鳴き声の動画を作りました。あなたにはどのように聞こえますか?

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YouTube: ぶろぐ:ホトトギス.mpg

「ス」はカラス・ウグイスなどの「ス」 と同じく、小鳥の類を表す接尾語と考えられています。

他にも夜に鳴く鳥として珍重され、その年に初めて聞くホトトギスの鳴き声を「忍音(しのびね)」といい、これも珍重されていました。これが、「初松魚(はつがつお)」とならべられている理由です。

ホトトギスは、南アジアで越冬し、日本に繁殖のためにやってくる夏鳥です。

他の夏鳥は、年によって春に渡来する日がずれる事がよくありますが、ホトトギスなどのカッコウの仲間は渡来する日が大きくずれません。カッコウの仲間は、日本には主に4種類が渡ってきますが、一番早いのがツツドリで4月中~下旬、その次がジュウイチで5月上旬、カッコウが5月中旬以降、そして最後にホトトギスが5月末にやってきます。

毎年正確な時期にやってくることから、例えばホトトギスの渡来は、田植えの合図とされていました。「時鳥」という当て字の由来です。北海道には「ホトトギス」はほとんどいませんから、「カッコウが鳴くと種を蒔け」といわれてきました。

卯 の花の 咲き散る岡ゆ ほととぎす 鳴きてさ渡る 君は聞きつや」(作者不詳 万葉集 巻十 一九七六)

「卯の花が咲き散る岡から、ホトトギスが鳴いて飛び渡って行きましたよ。あなたは聞きましたか。」という歌です。

 ホトトギスは万葉集で150首以上と野鳥の中で最も多く詠われているそうです。その中で5月頃に咲く卯の花(うつぎ)と一緒に詠まれているものが15首ありそうです。

春の花が一斉に咲き、やがて散り始める5月末に渡来することから、移りゆく季節を万葉人は感じていたのでしょうか。

うぐひすの 卵 (かひご)の中に ほととぎす ひとり生れて 己(な)が父に 似ては鳴かず 己(な)が母に 似ては鳴かず」(高橋虫麿 万葉集 巻九 一七五五)

ウグイスの卵の中にホトトギスが一羽生まれて、お前の父や母であるウグイスのようには鳴かないようだ。・・・・・

 カッコウの仲間は「託卵(たくらん)」という方法で雛を返します。自分で巣を作らず、産んだ卵を他の種に預け、子育てをしてもらいます。

「ホトトギス」がウグイスに「託卵」することは万葉集の頃からすでに知られていたのです。

「ホトトギス」が「託卵」する相手のほとんどはウグイスです。そのため、生息場所もウグイスと同じような低地から山地のササ藪周辺です。ウグイス以外では、ミソサザイ、センダイムシクイ、クロツグミ、アオジ、ベニマシコに託卵した例が知られています。

親鳥が巣から離れるわずかなスキに、ホトトギスは卵を巣内に産み付け、ウグイスの卵を一つくわえて持ち去ります。巣に戻った親鳥はホトトギスの卵と自分の卵を温めます。ウグイスの卵よりも早くホトトギスの卵がかえり、生まれた雛は数時間後には、ウグイスの卵を背中に載せ、巣の外に放り出します。その結果、ホトトギスの雛は親の世話を独占して大きくなります。

Photo_2 ウグイスの親は、自分の2倍の大きさの雛を育て上げることになります。普通に子育てをする場合よりも多くの餌を運ばなくてはなりませんから、ウグイスには相当の負担になっているかもしれません。しかし、ウグイスはお腹をすかせた巣の中の雛のために、せっせと餌を運び続けます。

 もっとも、ウグイスも含めて託卵される鳥たちは、対抗手段も身につけています。カッコウの仲間が巣に近づけば、追い払ったり時には直接攻撃したり、巣の中に産み込まれた卵を見分け、その卵を巣の外に放り出したりもします。

 しかし、このような対抗手段を全ての鳥が身につけているわけではありませんから、毎年どこかで、親の倍もある大きな雛が、小さな巣の中で大事に育てられているのです。

勝手に養子を預けられたウグイスも途中で気がついたときには見放すわけにもいかないのでしょう。ろくでもない親は、人間界だけでなく野鳥の世界にもいたようです。

Photo

したっけ。

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倉内佐知子

「涅槃歌 朗読する島 今、野生の心臓に 他16篇(22世紀アート) 倉内 佐知子 22世紀アート」

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