都月満夫の絵手紙ひろば💖一語一絵💖
都月満夫の短編小説集
「出雲の神様の縁結び」
「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
「羆撃ち(くまうち)・私の爺さんの話」
「郭公の家」
「クラスメイト」
「白い女」
「逢縁機縁」
「人殺し」
「春の大雪」
「人魚を食った女」
「叫夢 -SCREAM-」
「ヤメ検弁護士」
「十八年目の恋」
「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
「ママは外国人」
「タクシーで…」(ドーナツ屋3)
「寿司屋で…」(ドーナツ屋2)
「退屈刑事(たいくつでか)」
「愛が牙を剥く」
「恋愛詐欺師」
「ドーナツ屋で…」>
「桜の木」
「潤子のパンツ」
「出産請負会社」
「闇の中」
「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
「しあわせと云う名の猫」
「蜃気楼の時計」
「鰯雲が流れる午後」
「イヴが微笑んだ日」
「桜の花が咲いた夜」
「紅葉のように燃えた夜」
「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」
かげろう【陽炎】
春の天気のよい穏やかな日に、地面から炎のような揺らめきが立ちのぼる現象。強い日射で地面が熱せられて不規則な上昇気流を生じ、密度の異なる空気が入りまじるため、通過する光が不規則に屈折して起こる。かぎろい。糸遊(いとゆう)。《季 春》「丈六に―高し石の上/芭蕉」
大辞泉
「陽炎(かげろう)」とは、春や夏の晴れた日に、地面が熱せられて空気密度が不 均一になり、通過する光が不規則に屈折して、ゆらゆらと揺れて見える気象現象のことです。
よく晴れて日射が強く、かつ風があまり強くない日に、道路のアスファルト上、自動車の屋根部分の上などに立ち昇る、もやもやとしたゆらめきを見たことがあると思います。
古くは「かぎろい」と読み、さらにさかのぼれば「かぎるひ」すなわち「限る火」で、ほのかに光るさまをいったようです。
「今さらに雪降らめやもかぎろひの燃ゆる春へとなりしものを」《万葉集第十巻1835/作者不明》
今さら雪が降ったりしましょうか。かげろうが燃える春になったのですから。
「東の(ひむがしの)野に炎(かぎろひ)の立つ見えてかえり見すれば月傾きぬ」《万葉集巻一 48/柿本人麻呂》
東の野にかぎろひの茜色が見えていて、振り返って(西の空)を見れば、月が傾きかけています。
「かぎろひ」の「かぎ」と同語源の言葉としてあるのが「かぐや姫」の「かぐ」でたそうです。
「かぐや姫(赫映姫)」の「赫映(かぐや)」は、「赫赫(かくかく)」とすべてのものを明るく映しだすという意味だそうです。現在の「かがやく」に通じる「かかやく」の意味です。「かかやく」は、ゆらゆらとゆれるほのかな光の「かぎろひ」とは違い、力強い明るさを放つ光のことです。
「かぎろひ」の「かぎる」も「かぐや姫」の「かぐ」も光りがほのかにちらちら揺れるという意味の「かが」が変化したものだそうです。
「炫(かか)」は、現代語の「かがやく」と同じであり、ここでは「火が光を出している」といった意味、「迦具(かぐ)」は、「かか」と同様「輝く」の意で、「芳しい(かぐわしい)」はものが燃えているにおいがする」といった意味とか、「(匂いを)かぐ」にも 通じます。
捕らえがたいもの、また、すばしこいもののたとえで「陽炎(かげろう)稲妻(いなずま)水の月」という言葉があります。「水の月」とは、水面にうつる月のことです。
よく時代劇に「かげろうの○○」という盗賊が登場することがありますが、これはなかなか捕まらないという意味です。
したっけ。