この本は明治の初めの立身出世競争のことで読んでいて。後半の昭和の時代は読み落としていた。 昭和不況の後、満州で陸軍が暴走すると、軍需産業が活発化し、大学生の就職難が一時的に消えた。昭和12年の頃という。 1930年代の日本の高学歴学生は満州国の成立時期には就職不安が消え、従軍に対する兵役期間が短い等の恩恵しかなく、1960年代のアメリカの学生は好景気の中だったので、ベトナム戦争は不安を増すだけだった。 戦前の満州の新興企業へ多くの学生が就職した。この就職を断った学生の記録が見えない、少ないと著者は書いている。 今多くの日本企業がロシアのウクライナ侵攻でためらい、遅れて制裁に参加した。まだ日本は営利の方が優先でやせ我慢の考えで会社は運営されていないと感じる。そこには日本の学生の思惑があって人生を就職によって決めること。親も大学も卒業内定していれば卒業させる。良い仕事があれば退学することとは違う文化がある。それだから幕末の脱藩は記録に残る。下層民は結構お伊勢参りで見聞を広げているが武士はそうでもないようで、勝海舟の父小吉も見つかって処分された・ |
戦 |
この本は経済における女性の労働価値の本のようだが、ちょい読みの自分にとって、ロビンソンクルソ-の話が経済学者に好まれていることを知った。その理由が解かりやすく書かれていた 。 日本の天保の改革での株仲間禁止と、異国船打ち払い令の発動から中止になってさらに再発動の検討の議論の研究が欲しい。さらに嘉永2年頃からの幕府上層部で経済振興のための株仲間復活と、物価制御の検討がどう議論していた嘉永年間事情を知りたいが、一部の情報漏れで株仲間の新規の申し込み騒動があったようで、幕府上層部の情報操作が行われていた気がする。この辺の研究は個々の商売の株仲間の研究は次第に明らかになっている。 築地市場の移転問題で、魚の仲卸組合の源流が株仲間の再興辺りと考えていて、気になっていた。個々の株仲間は記録が残っていて、一番詳しいのは書籍商の仲間研究だろう。漬物は一番遅れていて、缶詰の方から組織化されたように思えるが単に記録がなかったということかもしれない。 女性の労働価値の問題を考えている時、アフガンのタリバン指導者の意見がニュ-スに出ていた。最初にタリバンがアフガンを支配した時、世界と言っても欧米は無視していたが9.11のテロでタリバンがテロの指導者を匿ったため、アメリカの関与が長引いた。アフガンは地下資源に魅力がなく、ただ交易の交差点のようなもので、飛行機の時代では無視しても良いとアメリカは思ったようだ。 アフガンの女性問題は食料確保の問題につながる。中国の関与はどうなるのだろうか。アメリカと中国の経験値は中国の方が勝ると思うがウイグルの問題で金をとるか宗教を取るかが気になる。 アメリカの御都合主義で日本は過去振り回され、バブル時に米国に投資した資金は暴落した。今中国人の方がアメリカの本音を知っているようで、対処の仕方が研究に値する。中国の女性問題で政府の10人に上層部の10人に女性はいないし、さらに若者もいない。やはり長老を重視するアジアの制度かもしれない。 アメリカ流の経済成長が止まり、中国の高成長もアメリカの欠点と日本のバブル崩壊後の失敗を研究していて、前例があって方向が見えていた。ある程度国民が豊かになると価値の基準が異なってきて、商業の方が優位になるが、物が豊富となれば政治で統制するのは難しく、愚民化政策しかない。 長生きのリスクが女性問題から、終わった人の問題となる。それでも人はいかされる。 |
箕面市慰霊祭違憲訴訟第一審判決 大坂地裁1983年3月判決
箕面市忠魂碑訴訟(最高裁判所平成5年2月16日)
(事案)
箕面市は、大阪の高度成長期に急激に人口が増加しました。そのため、箕面小学校でも生徒が急増し、一方で、校舎が老朽したため、校舎の増改築と校庭の拡張を計画しました。
箕面小学校と柵で仕切られた市所有地に戦前からの忠魂碑がありましたが、この忠魂碑を移転し、その土地を小学校用地として使用するため、箕面市は、移転のための土地を購入し、そこに忠魂碑を移転・再建しました。これが、憲法20条3項に禁ずる「宗教的行為」であるとして問題になり、経緯を含め、行政の長の参加についての公費の是非についての裁判となりました。
また、忠魂碑を管理していた遺族会は、毎年、忠魂碑の前で神式仏式による慰霊祭を行っていましたが、この慰霊祭に、市の教育長が参列したことも問題になり、これに対して給与を支払ったことは、憲法20条1項後段、89条違反が禁止する「宗教団体」または「宗教上の組織・団体」への特権付与であり、公金等の支出にあたるとして争われました。
(判決)
(1)土地購入・無償貸付・移転・再建の20条3項違反について
政教分離規定というのは、信教の自由を間接的に保障するための制度を保障したものです。政教分離原則は、国と宗教のかかわり合いすべてを禁止するものではなく、信教の自由を保障するという目的からみて、相当とされる限度を超えるものだけを禁止する。
相当とされる限度を超えるものとは、目的が宗教的意義を持っており、効果が、宗教に対する援助、助長、促進または圧迫、干渉などとなる行為のことです。これを判断するにあたっては、行為の外面だけでなく、当事者の意識や、一般人の評価を考え、社会通念に従って判断しなければなりません。
本件についてみると、第1に、忠魂碑は、もともと戦没者記念碑的なもので、神道等の特定宗教とのかかわりは、少なくとも戦後は希薄です。第2に、遺族会は宗教的活動を目的とした団体ではありません。
(2)遺族会は宗教団体か
遺族会は、戦没者遺族の相互扶助・福祉向上と英霊の顕彰を主たる目的として設立されたものですから、宗教的な行為をしたとしても、それが本来の目的ではないので、憲法20条1項、89条の「宗教団体」や「宗教上の組織・団体」ではありません。
(4)慰霊祭への参列は政教分離違反か
忠魂碑は戦没者記念碑的な性格のものであり、第二に、遺族会は宗教団体ではなく、第三に、慰霊祭への参列は、公職にあるものの社会的儀礼として、戦没者や遺族に対して弔意、哀悼を表すために行われたものです。
慰霊祭への参列は、世俗的な目的であり、効果も、特定の宗教の援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になる行為ではありません。ですから、この行為は、憲法上の政教分離規定に違反するものではありません。
以上のように述べて、箕面市の行為をすべて合憲としました。
・江戸幕府は「慈悲深い」権力者というイメージ戦略を、いかに成功させたか?
・ペリー来航の重要な任務は、「治外法権」を認めさせることだった。
・明治政府は、なぜ、旧来の刑罰改革を急務の課題としたのか?
・植民地・台湾に、帝国日本が驚くほど壮麗な監獄を作ったのは?
・日本の資本主義の台頭を、囚人労働がいかに支えたか?
権力を形成・変革してきたのかを、解き明かした画期的論考!