透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

施工誤差

2008-08-07 | A あれこれ

 いよいよ明日北京オリンピックが開幕しますね。メダルが期待できる競技として男子は水泳、そう北島康介、それと野球。女子はマラソン、柔道、レスリングあたりでしょうか。

水泳の競技会場はメイン会場「鳥の巣」の隣りに位置する「水立方」ですが(画像検索してみて下さい)、夜景がきれいでデートスポットとして人気が高いそうです。

競泳は1/100秒、いや時には1/1000秒を競うことになりますね。距離に直すとわずか数センチ、時には数ミリ!の勝負ということになるんですね。たった数ミリ・・・。

数ミリの差となるとプールの施工誤差が気になります。50メートルプール、施工誤差によって例えば1コースと4コースが5ミリ違っていたら・・・。施工誤差について許容値の規定が当然あるのでしょう。それがどの位なのかはわかりませんが。

ところで鉄筋コンクリート造の場合、施工の指針となる「公共工事標準仕様書」によると躯体の断面寸法の施工誤差の許容値は0~+20です。例えば梁巾は設計寸法が350ならば370までの誤差を認めるということになります(建築の場合寸法の単位はミリメートルです)。

工場で精密機械をつくるのとは異なり建築の場合、現場で職人が手作業で型枠を施工してそこにコンクリートを打設して躯体をつくるのですから、この位の誤差は生じます。ただ躯体寸法ではマイナスの誤差、つまり設計寸法より少なくなることを認めていませんから施工上要注意です。ただし土木工事の場合には建築とは異なりマイナスの誤差も認めているようです。

仕上げ寸法の誤差については先の仕様書では規定がありませんが、躯体と同程度の誤差くらいは一般的には許容されると考えて支障ないと思います。このことを勘案するとオリンピック競技などに使用するプールの施工誤差の許容値はおそらく数ミリでしょうからかなり厳しいですね。水圧で歪まないような強度で極めて高い精度でつくらないと・・・。そこに更にタッチパネル等を取り付けるのですから精度管理が大変だと思います。

まあ、北島選手には施工誤差など全く関係ない、ブッチギリの強さで金メダルを取って欲しいと思います。