「地球環境保護のため、割り箸の削減に取り組んでいます。割り箸が不要のお客様は、お申し付けください。」
夜遅くまで残業するために時々買い求める弁当にこんな表示付きの箸袋がついてきます。
これで割り箸の経費を削減できたり、地球環境の保全に取り組んでいることをお客さんにアピールできれば企業イメージの向上にも繋がる・・・。これも確かにひとつの見識だと思います。
***
木材が他の資源と決定的に違うのは、木が本来の意味での再生可能な資源で、総量が決まっていないということでしょう。いくらでも再生できる唯一の資源、それが木ですよね。
木を育て、木を使うという50年以上の長い循環(サイクル)が健全に維持できていないという現状に問題があることは明らかでしょう。
木の需要がないから木を切り出さない、切り出してもペイしない。切り出さないから山が保全されず荒廃していく・・・。
この悪循環を断ち切って前述した健全な循環にするために、まず木の需要を増やす努力をするということを考えてもいいのではないか、と思います。
今朝の新聞に、落ち込む製材出荷量を回復するために奮闘している木曽の製材会社の社長が紹介されていました。建材以外でも、かまぼこの板、皿、スノーボードなどの新製品を手掛けているそうです。
これらの需要がどの位あるのか分かりませんが、割り箸の需要が増えれば、どうでしょう。木の健全な循環に多少なりとも寄与できるのではないか、と思うのですが。
「地球環境保護のため、国産の割り箸の需要を増やす取り組みをしています。」こんな表示付きの国産割り箸があってもいいと思うのです。
でも割り箸ではこの問題の本質的な解決にはならない、と思います。やはり土木や建築資材としての需要をもっともっと増やすことを考えないと・・・。
建築で造作材として国産材を使うとしたら・・・米松、米栂などに替わる適当な国産材が思い浮かびません。杉、桧、松?
建築設計者はもっと木のこと、木構造のことを勉強しなければいけない、積極的に木を使うことを考えないといけない、そう思います。
まとまりませんが、とりあえずアップしておきます。