■ 松本市内、立派な民家の路上観察。正確には路上からではなくて大型店の駐車場からの観察。
持送り 押縁下見板張りの外壁、2階を3尺持出しているが、持出し梁を受ける「突っ張り」の支え板を持送りという。あるいはこの地方独自の名前があるかもしれない。
この持送りにはいろんな意匠の彫刻が施されるが、この例のような雲形あるいは波形が多いようだ。その理由は分からない。地方によってそれぞれ特徴があるこの持送りも民家(町屋)観察のポイント。
出し桁の端部は銅板で包んである(そういえば「包む」というシリーズ、なかなか書けない・・・)。
庇も銅板葺き。破風や垂木の先端も銅板包み。庇の見切り兼用の持送り(力板)。棟木まで付けている! この写真でははっきり分からないが、棟木を覆う銅板も屋根状に加工してある。
職人さんは実に丁寧な仕事をしている。
ここまで書いてアップしたが、昨日の午後再び観察して、気がついたことがあった。
持出し梁の先端近くの下面にボルトが見える(この写真で確認するのは困難)。2階の持出し部分が下がらないように斜め上方(柱の上部)へ引っ張っているものと思われる。周到な配慮、といっていいだろう。