透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

着物に出る個性

2013-07-03 | A 読書日記



■ 早起きは三文の得  なぜ三文得なのかについて、何かで読んだような気がすると先日書いたが、もしかしてこの本ではなかったかと読み返してみたが、見つけることはできなかった。

この本の「着物での暮らし」という章を改めて読んでみた。

**あるお正月、テレビ番組で立派なお座敷に女性たちが着物で並んでいた。十代から七十代近い女性までいたが、驚いたことに、全ての人の着方が同じだった。一目で、着付師が着せたことと、その着付師が着物を知らないことがわかった。**(214頁) ずいぶん手厳しいが、この文章は田中優子さんが書いている。

**着物の着方とは、自分の個性を知ることであり、個性を表現することである。(中略) 着物の着方とは、具体的にいえば、着物と帯と帯揚げ、帯締めの取り合わせ方から始まって、襟のあげ具合、襟の色の選び方、襦袢の襟と着物の襟の重ねる割合、帯の位置、後ろのたいこの大きさ、体と帯の間隔、裾の微妙な長さのことである。それらに自分の好みをはっきり持つ必要がある。(中略)着物は顔と同じで、その人の人格と思想とセンスが出るものだったのである。**(216頁)

なるほど・・・。確かに着物の着方は一様ではなく、人それぞれだということをこちらのブログで感じている。