透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

講演「どくとるマンボウ家の素顔」

2013-07-21 | A あれこれ


松本まるごと博物館連携企画展「北杜夫と松本」展示解説図録

■ 松本駅から徒歩で10分くらいのところにある「あがたの森文化会館(旧制松本高等学校の木造校舎が保存活用されている)」で行われた北杜夫の娘・斎藤由香さんの記念講演「どくとるマンボウ家の素顔―ユーモアを大切にイキイキと生きる―」を聴いた。

祖母・斎藤輝子の思い出、父親(北杜夫)と母親のやり取り、また自身が就職したサントリーの話題などをスクリーンに画像を写しながら語る約1時間半の講演だった。

北杜夫の奥さんが会場に来ておられ、最後に挨拶をされた。サプライズな出来事だった。松本への感謝の言葉。声を詰まらせ、涙する様子に、こちらも涙ぐんでしまった。

講演の後、旧制高等学校記念館で開催中の「北杜夫の文学と松本高校青春記」を見た。三島由紀夫に激賞された代表作『楡家の人びと』の書き出し部分の原稿が展示されていた。タイトルをまず『楡家の人々』と書き、「々」を「びと」と訂正していたことが分かった。このことは今まで知らなかった・・・。

好きな作家を敢えてひとりだけ挙げるとすれば、北杜夫だ。また好きな作品を読みなおしたい。過去ログ



 


427 上田市丸子辰ノ口の火の見櫓

2013-07-21 | A 火の見櫓っておもしろい

 
427 上田市丸子 
撮影日 130719

 長野県上田市丸子(旧丸子町)の国道254号線沿いには火の見櫓が何基もに立っている。どれも遠くからよく見える。この火の見櫓もそのうちの1基。

東信地方(*1)の火の見櫓は細身のものが多いという印象だが、これは太めで逓減率が大きく、安定感がある。高さは梯子段の段数から概算しておよそ16メートル。



四角い櫓に方形(ほうぎょう)の屋根。頂華、蕨手あり。信号表示板が見張り台に立て掛けてある。円形の見張り台直下に付けられた大きなスピーカーは無い方が好ましい。

見張り台の下に消火ホースを掛けるフックの付いた踊り場がある。ここで梯子を掛け変えていないから正しくは踊り場ではない。消火ホース乾燥場とでもすべきか。



踊り場を支えるステーは直線部材。手すりに蕨手状の飾りあり。櫓上部は平鋼のブレース、下部はリング式ターンバックル付き丸鋼ブレース。長野県内では東信によくある方式。物々しい印象を受けるのは平鋼の交叉ブレースと大きめのガセットプレートなどに因るか。



脚間寸法がこのくらい大きくなると、がに股タイプが必然かもしれない。



脚の付け根にも蕨手状の飾りがある。



銘板に建設年度が記されていない・・・。


 *1 長野県は北信、中信、南信、東信の4つのエリアに分けられる。