松本まるごと博物館連携企画展「北杜夫と松本」展示解説図録
■ 松本駅から徒歩で10分くらいのところにある「あがたの森文化会館(旧制松本高等学校の木造校舎が保存活用されている)」で行われた北杜夫の娘・斎藤由香さんの記念講演「どくとるマンボウ家の素顔―ユーモアを大切にイキイキと生きる―」を聴いた。
祖母・斎藤輝子の思い出、父親(北杜夫)と母親のやり取り、また自身が就職したサントリーの話題などをスクリーンに画像を写しながら語る約1時間半の講演だった。
北杜夫の奥さんが会場に来ておられ、最後に挨拶をされた。サプライズな出来事だった。松本への感謝の言葉。声を詰まらせ、涙する様子に、こちらも涙ぐんでしまった。
講演の後、旧制高等学校記念館で開催中の「北杜夫の文学と松本高校青春記」を見た。三島由紀夫に激賞された代表作『楡家の人びと』の書き出し部分の原稿が展示されていた。タイトルをまず『楡家の人々』と書き、「々」を「びと」と訂正していたことが分かった。このことは今まで知らなかった・・・。
好きな作家を敢えてひとりだけ挙げるとすれば、北杜夫だ。また好きな作品を読みなおしたい。過去ログ