■ 先日(6月23日)名古屋で開催されたセミナーに参加したことは既に書いた。
その時の講師のひとり、東海大学の杉本教授が開発した「どんぐりハウス」は東日本大震災の被災地に供給するための仮設建築システムだ。
講演会場で買い求めたこのシステムを紹介する書籍(写真)を読んで、システムの概要を知った。もともとのアイディアは利用されない小径木の活用を目指して開発したものだという。
システムを構成する部材は90×90の柱材と柱材の半割の40×90の間柱材、同寸で断面形状が異なる外壁材の3種類のみ。これだけの部材で梁はどうするのかなと思ったが、なるほど!な解決がなされていた。
当然のことながらこの「どんぐりハウス」システムは特別な技術など不要で、容易に建設が可能だという。
この仮設建築には蓄電池を組み込んだ太陽光発電システムと、トイレにはバイオ分解式で微生物がし尿を分解するシステムが採用されている。被災地の状況を踏まえた実に合理的なシステムだと思う。
木は体にも優しいし、心にも優しい。不要になれば転用も可能ということだし、間伐材なら地元で調達できるから、搬路が断たれていても支障ないことも大きな利点だ。
プラクティカルな研究開発のレポートに刺激を受けた。