透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

伊勢神宮 式年遷宮の御白石持行事

2013-07-30 | A あれこれ

■ 伊勢神宮で20年に1度行われる神事・式年遷宮の御白石持行事に参加する幸運な機会を得た。式年遷宮は持統天皇の御代の690年に初めて行われ、それからおよそ1300年もの長い間連綿と続けられてきた。今回で62回目となる。

地元神領民に全国から特別神領民が加わるようになって今回が3回目だとか。過去2回、長野県では神社関係者だけが参加していたようで、一般から募るのは今回が初めてだと聞いた。私にとって人生で最初で最後の機会、まさに一期一会だ。

 

 外宮の御垣内参拝に向かう。


 

 夫婦岩で有名な二見輿玉神社にて禊に替わるお祓いを受ける。

   

狛犬 昭和五年一月吉日と台座にあった。


  

 御白石持行事は御白石を詰めた樽を積んだ台車(下の写真参照)の奉曳(ほうえい)をし、それから御白石の奉納を行う行事。

全国から集まった特別神領民による奉曳はおはらい町を五十鈴川に架かる宇治橋まで約800m進む。綱の両側にびっしり並んで曳く。綱は2本あるから(下の模型写真参照)人の列は4列になる(上の写真参照)。

「エンヤー、エンヤ―」というかけ声とともに綱を腰の位置で上下させながら進む。私は進行方向右側の綱の外側だった(あらかじめ決められている)。従って綱は左手で持つことになる。右手はその都度突き上げてリズムをとりる。

奉曳沿道には商店の店員さんたち(大半が女性だった)が並び、やはりかけ声に合わせて同じように右手を突き上げている。で、時々ハイタッチをする。それが楽しかった。地元の皆さんのにこやかな表情が印象的だった。

 

宇治橋のたもとまで奉曳されてきた台車。木遣り子が腰にさしているのが采(ざい)。諏訪大社の御柱で使われる御幣(おんべ)に似ている。



白装束に身を包み、渡されたハンカチサイズの白布に子どもの拳ほどの御白石を包んで内宮御正殿に進む。真新しい御正殿の正面に御白石をそっと置いた。間近に見る御正殿は実に厳粛な雰囲気に感動した(御垣内での写真撮影は厳禁されている)。


 

記念品としていただいた台車の模型と御神酒。