意図的にいつもとは配置を変えて撮ってみた。
■ 髪結い伊三次捕物余話シリーズの「月は誰のもの」に次のような描写がある。
**(前略)伊三次にとって、おかめでおかみのお里や常連客の留助などと他愛ない会話を交わすことが、ささやかな慰めともなっていたのだ。**(196、7頁) そう、火事で家族と離ればなれに暮らしていた伊三次にとって、おでんが売りの居酒見世・おかめはサードプレイスだった。
私も週末にカフェ バロでオーナーのKさんやYさん、常連客のFさん、Hさんと他愛ない会話を交わすことが、ささやかな慰めとなっている。で、金曜日は残業しないで、小一時間過ごすことにしているが、昨日(1日)は仕事のために無理だった。
その代わりというわけではないが、今朝、スタバで同シリーズの『明日のことは知らず』を読んで過ごした。 このシリーズは夫婦愛、家族愛の物語ともいえる。
主人公の伊三次は廻りの髪結い職人で、九兵衛という弟子がいる。廻り職人は台箱(木製寅さん鞄)に道具を納めて持ち歩く。
経緯は省くが九兵衛の道具開きを伊三次の家で開くことになった時、掛かり(宴会の費用)は誰が持つのかとお文に訊かれる(もちろんお文は支払うつもりなのだが)。
この時、ふたりの娘のお吉が**「おっ母さん、お願い。お父っつぁんと九兵衛さんのために、人肌脱いで」**(112頁)と、父親のために頭を下げる。**伊三次はお吉の気持ちが、涙が出るほど嬉しかった。**(112頁) こんな件を読むと、いい家族だなぁ と思う。そして涙ぐむ。
さて、『名もなき日々を』を読み始めよう・・・。