透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「惑星ソラリス」

2016-04-18 | E 週末には映画を観よう

 

■ ポーランドのSF作家スタニスワフ・レムの作品『ソラリスの陽のもとに』が旧ソビエトの映画監督タルコフスキーによって映画化され、1977年の春に日本で公開された。この年、私はこの映画を東京の岩波ホールで観た。

先週金曜日(15日)の夕方、カフェ バロでHさんと雑談していて、この映画をDVDで観たことを聞いた。5本まとめて借りた中の1本が「惑星ソラリス」だったそうだ。

そうか・・・、あの懐かしい映画を今でも観ることができるのか・・・。「まだ1本ありましたよ」と聞いて、早速DVDを借りてきて観た。

惑星ソラリスを覆う海は「知的生命体」。人の脳の思考活動や記憶を読み解き、具現化してみせる。この発想からしてすごい。ソラリス探査のために宇宙ステーションにいる主人公クリスの前にソラリスは10年前に死んだ妻のハリーを出現させる(確か小説ではハリーは恋人)。上の写真はクリスとハリー。

40年近く前に観た映画だが、未来都市として首都高速が出てきたことと、ラストにクリスの故郷の家がその廻りと共に島となってソラリスの海に浮かびあがるシーンがあったことを覚えていた。その記憶の通りに画面に出現したときは懐かしいというか、記憶との符合に感動した。

主人公クリスの脳内検索によりソラリスの海が出現させたのは彼の家族と彼が生まれ育った家とその周辺の姿だった・・・。心の深層にあって忘れ難きは家族と故郷、たとえ地球から遥か離れた宇宙にいたとしても。それが原点ということなのだろう。

いままでDVDを借りて観たことはなかった。昔観た映画を自宅でまた観ることの楽しみを覚えてしまった・・・。ますます時間が足りなくなる。

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