透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

ブックレビュー 1902

2019-03-03 | A ブックレビュー

 2月は何かと忙しく、あまり読書に時間が割けなかった。読書は別に義務でもないし、月に1冊も本を読まない学生が大半だという時世、いや時勢を充てるのが正しいのかな、欠かさず読み続けていることに意義あり、としておこう。

『やぶれかぶれ青春記・大阪万博奮闘記』小松左京/新潮文庫

小松左京といえば『日本アパッチ族』や『日本沈没』、『首都消失』などが直ちに浮かぶ(過去ログ)。書店で久しぶりに小松左京の文庫本を目にして読んだ。「やぶれかぶれ青春記」という自伝的小説と「大阪万博奮闘記」という手記を収録している。ここに具体的には書かないがどちらも大変興味深い内容だった。これを機会に他の作品もよんでみようかな。 

『日本人はどこから来たのか?』海部陽介/文春文庫

アフリカに生まれたホモ・サピエンスはどのようなルートで日本列島に到達したのか。そのルートを実証的に論じている。

第3章 ヒマラヤ南ルート
第4章 ヒマラヤ北ルート
第5章 日本への3つの進出ルート
第6章 対馬ルート、最初の日本人論
第7章 沖縄ルート、難関の大航海
第8章 北海道ルート、シベリアからの大移動
第9章 1万年後の再会
(全11章)

この本がどのような構成になっているのか、それぞれの章がどのような内容なのか、見出しで分かる。これは大事なことだと思う。「火の見櫓っておもしろい(仮題)」はアラカルト的な内容だから、このようにはならないが、仕方ない。




 


校正作業

2019-03-03 | H 「あ、火の見櫓!」



■ このところ「火の見櫓っておもしろい(仮題)」の校正刷り(正しい用語かどうか、写真のような状態の印刷物)に赤を入れる作業を続けていたが、ようやく終えた。

1日(金曜日)、K君にチェック内容をざっと説明し、追加原稿(「火の見櫓巡り余話」、「認識論」)と共に渡した。

今月下旬には今回のチェックを修正した校正刷りが手元に届く予定だ。チェックと修正、この作業をあと3回ほど繰り返せばたぶんまとまるだろう。ほとんどすべてのページに写真が入るが、写真の大きさ、レイアウトがまだきちんと決まっていないページもある。私の希望というか考え方を伝えたが、それがレイアウトに上手く反映されればうれしい。

各章の扉にスケッチを入れたらどうか、というK君のアドバイスで、大型連休中に火の見櫓のある風景のスケッチをするつもりだ。

本のタイトルは? 表紙は? 裏表紙は? そして、どのような方法で世に出すか?


 


根津神社の庚申塔

2019-03-03 | B 石神・石仏


撮影日190224

 根津神社の境内に6基の庚申講が背中合わせに6角形を成して祀られている。明治以降道路拡幅などに伴い、各地から根津神社に納められたようだ。私が観察したのはこの青面金剛像。

青面金剛は庚申信仰の本尊で、この像は三面六臂、三つの顔と六つの腕を備えた像だ。唐破風の笠(屋根)を載せた角形の塔身に彫られている。像の下に猿と二鶏が見える。これには早く申から酉に日が変わって欲しいという願いが込められていると聞く。調べるとこの猿は三番叟(さんばそう)を踊っているそうだが、私には知識がないのでこの猿を見ても分からない。

さらに下の台座には三猿(悪事を天帝に報告しないように眼、耳、口をふさぐ)が彫り込んであるが、撮り落とした。



像の左側の手には矛、弓、蛇が巻き付いた棒を持ち、右側の手には宝輪、矢、羂索(けんさく)を持っている。

この庚申塔の造立は1668年(寛文8年)。


 
上掲像の右側に祀られている一面六臂の青面金剛像


ざっくりとした味のある彫りの邪鬼と三猿

合掌していない手に日輪、月輪、弓、矢を持ち、邪鬼を踏みつけて立っている。像の下に三猿(見ざる聞かざる言わざる)。


*2月23、24日の両日、東京で撮った写真は他にもあるが、この補稿で掲載を終了する。