■ 『火の見櫓暮情』内藤昌康(春夏秋冬叢書2008)を朝カフェで再び読み始めた。書名はとびらでは「火の見櫓慕情」となっている。暮と慕、チラシでも両方載っている。どのような使い分けをしているのだろう。普通に考えれば慕情だと思うが。
幅広の帯に**豊饒な物語の上に火の見櫓は立っていた。**とあるように、この本では火の見櫓そのものの詳細な紹介はしないで、火の見櫓が立っている集落の様子やそこの人々の暮らしぶりなどを紹介している。地元の人に取材をしないと書けない内容だ。なお、対象域は三河遠州。
(再)浜松市天竜区 撮影日180526
この赤い火の見櫓は『あ、火の見櫓!』で紹介したが(163頁 本には別の写真を載せている)、『火の見櫓暮情』にも取り上げられていて、**光明公民館は役場の跡地で、その正面に火の見櫓が立つ。見張り台には四方に「〇光」マークが取り付けられている。「〇光」は光明村消防団の意味。(中略)旧光明村にはかなりきめ細かく火の見櫓が設置されている。平成十八年春の時点で現存したのもは八基で、中には一キロメートルも離れていない場所に立つものさえある。形状は集落によって若干異なるが、その全てが長身・屋根付きの典型的なもの。(中略)この村がいかに普遍的に防火思想を普及させていたかが窺える。**(191頁)以上のような説明がある。
この本の火の見櫓の説明のしかたを参考にして、火の見櫓のある暮らしを今年は書きたい。