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■ 年末年始は巣ごもり読書、と決めていた。で、何年も続けてきた善光寺への初詣も今年は見送った。
今日(2日)は三島由紀夫の『午後の曳航』(新潮文庫)を読んだ。奥付を見ると1968年(昭和43年)の発行で、2019年(令和元年)82刷となっている。長年読み継がれているということは名作の証ということだろう。だが、再読して、この作品がなぜ名作だとか傑作とかいう評価を得ているのか、全くわからなかった。ここでぼくは王様が裸であることを正直に指摘した少年を可としたい。だが、体だけでなく、感性も老いてしまったようだ、と逃げを打っておこう。
主人公は父親を亡くし、母親と暮らす13歳の少年。ストーリーは単純だがそれをトレースすることにそれ程意味があるとは思えないので省略する。
**五号は、目隠しの布と猿轡用の手拭を用意して来てくれ。
それから各自、好みの刃物を持って来てよろしい。ナイフでも錐でも好きなものを。**(176頁) ラスト、少年は仲間と共に猟奇的な殺人をする。
三島由紀夫の作品、ぼくは『金閣寺』(過去ログ)だけでいいなぁ。