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■ 『細胞とはなんだろう』武村政春(講談社ブルーバックス2020年発行)を読み終えた。前稿に書いたように生物学に関する基礎知識がほとんどないために内容の理解度は極めて低い。
読んでいて、「へ~、そうなのか」と思ったところが何か所(*1)もあったが、その内の1か所を記録しておきたい。
「第3章 ミトコンドリア」から。**細胞内共生説とは、すなわち「ミトコンドリアは、ほんまはバクテリアやったんやで」という学説で、それが真核生物(*2)の祖先となった細胞(おそらくは嫌気性のアーキアの祖先だと考えられている)に共生し(当時はもしかすると、単なる「感染」だったかもしれない)、その結果、「なんやしらん、ミトコンドリアになってもうたがな」というものである。**(127頁)
細胞のレベルで起きた進化によって、細胞の総体としての生物は進化してきたということ(当然か)。上掲した件(くだり)に続けて、植物細胞が持っている「緑葉体」も「シアノバクテリア」が真核生物の祖先の細胞に共生(感染)して進化したと考えられるということが紹介されている。
真核生物は異なる生物どうしが共生した結果として誕生した、という考え方。
朝食の目玉焼きにトッピングしてあるウインナーがミトコンドリアに見えてきた・・・。
知らないことを知るということは楽しい。
*1 ヶ所、か所、カ所 などの表記があり、いつも迷う。
*2 真核生物:細胞核が細胞内に存在する生物
リボソーム:タンパク質合成装置 **ウイルスだってタンパク質が必要である。でもウイルスは、タンパク質を自分の力だけではつくることができないので、僕たち生物の細胞に感染することでそれを達成しようとする。**(89頁)