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透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

朝カフェで紀要を読む

2021-06-23 | A 火の見櫓考



 岡山市教育委員会発行の『岡山市埋蔵文化財センター研究紀要 第1号』(2009年3月発行)が届いた(*1)。埋蔵文化財に関する学術雑誌だから土器や古墳、古代寺院の瓦などを対象とする研究が収録されているが、火の見櫓についての論考も収録されている(写真下)。



「登録有形文化財・旧京橋火の見櫓 ―近代山形鋼製警鐘台に関する考古学的アプローチ―」では登録有形文化財の旧京橋火の見櫓の概要と登録有形文化財指定の経緯の説明。この火の見櫓をはじめ、12基の火の見櫓を寄附した坪田利吉の紹介、岡山市内の火の見櫓の分析的紹介がされている。

この研究について次のような総括的な説明がされている。**非常に単純な構造物であり、建築年や経緯を示す資料もほとんどないため、考古学的アプローチにより形態などの特徴の観察からその型式学的変化や属性の地域的分布などを明らかにすることを目指したものである。** 

要するに火の見櫓の形態・構造の制作年代による変遷、地域によるその違いを示そうとする研究だということ。

長野県内でも地域によって火の見櫓のプロポーションなどが違うことに私も気がついている。これは「サンデー毎日」な生活になったら取り組みたいと思っているテーマ。


*1 昨年(2020年)拙著『あ、火の見櫓!』を購入していただいた岡山県在住の方からこの研究紀要のことを教えていただいた。感謝。