透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「他人の顔」安部公房

2024-03-05 | A 読書日記


『他人の顔』安部公房(新潮文庫1968年12月20日発行、1972年2月10日8刷)

 なぎさライフサイトのTSUTAYA北松本店が5月6日をもって閉店するという。昨日(4日)店の入り口に掲示されていた「お知らせ」でこのことを知った。切ない。昨日(4日)の朝、スタバで顔なじみの店員HGさんに「ツタヤ、閉店しちゃいますね」と声をかけた。読書好きのHGさんも残念がっていた。

TSUTAYA北松本店の隣り(同じ建物)のスタバで朝カフェ読書をするということ続けているが、いつ頃からだろう・・・。このブログの過去ログを検索すると、2014年2月27日の記事が見つかった(過去ログ)。少なくとも10年くらい続けてきたことになる。朝カフェ読書用の本をTSUTAYAで買い求めるということもたびたびだった。

*****

読み始めた安部公房の『他人の顔』、朝カフェで続きを読む。手元にあるのは50年以上も前の文庫本。2020年に自室の文庫本の大半を古書店に引き取ってもらったが、安部公房の文庫はすべて残した(新潮文庫19冊)。再読することがあるだろうと。

安部公房の作品に通ずるテーマは「存在」、そう「自己の存在を問う」ということではないか。代表作の『砂の女』も『箱男』もそうだろう(過去ログ)。この『他人の顔』では顔は自己とって、どんな意味を持つものなのかということが洞察される。自己を根拠づけるものは一体何なのか、それは顔なのか・・・。