■ 師走も早8日。うっかり11月のブックレビューを忘れていた。
11月に読んだ本は5冊。
『新東海道五十三次』井上ひさし・山藤章二(河出文庫2013年)
井上ひさし東海道五十三次の蘊蓄を傾ける。山藤章二秀逸なるイラストを描く。
『モダン』原田マハ(文春文庫2018年)
アートにまつわる短編5編。この作家の作品初読み。
『三四郎はそれから門を出た』三浦しをん(ポプラ文庫2010年第1刷 2012年第3刷)
「起きる。なにか読む。食べる。なにか読む。食べる。仕事をしてみる。食べる。なにか読む。食べる。なにか読む。寝る」という一日を過ごしているという三浦しをんの本に関係するエッセイ集。人生いろいろ、一日の過ごし方もいろいろ、読む本もいろいろ。
『マスク社会が危ない』明和政子(宝島新書2022年)
子どもの発達に「毎日マスク」はどう影響するか? この副題に関する論考 「表情が読めないと」、脳と心が育たない!という帯の一文がその答え。
『理数探究の考え方』石浦章一(ちくま新書2022年)
**どう学びを深め、どうアウトプットするか、数学の確率的思考や理科の実験のデザイン方法などについて、豊富な事例とともに見ていきましょう。** カバー折り返しのこの一文を読んで買い求めた。
読んでいてなるほど!はほとんどなく、「これ、違うんじゃないかなぁ」が少なくなかった。例示は避けたいが、3例だけ挙げる。**また、新型コロナのようなパンデミックが起こった時に、自分の体やワクチンのことを知らないと簡単に感染してしまします。**(057頁)これって科学的じゃないと思うけれど、どうだろう・・・。
**高校の先生のテーマの与え方に問題があるように見受けられます。例えば、「地球温暖化は今後どうなるか」というテーマを生徒に考えさせたところで、答えが出ないに決まっているのです。(中略)答えのないテーマを与えると、生徒はどうしていいか分からなくなります。**(070頁) 答えがないテーマについてあれこれ考えることにこそ意義があるのではないか、と思う。違うのかな・・・。「地球温暖化」は避けて通れないテーマだと思うし、高校生にはむしろふさわしいとさえ、思うのだが・・・。そもそも答えがあるような問題って議論のテーマとしてつまらないと思うけれど。十人十様の答えがあるような問題が良問と言えるのだと思う。世の中、答えがあるような問題だけじゃない。
**脱ゆとりに戻ったのに、また成績が下がってきたのです。(中略)これはなぜだと思いますか?これは推測ですが、多分、教師の実力が低下してきたのではないかと考えます。そうではないと思う先生方は、私に証拠を見せていただきたいと思います。**(120頁)自説は推測だと逃げを打っておいて、反論するならキッチリ証拠を見せて。これってフェアじゃないと思うけどなぁ・・・。
新書2冊は買い求めたが、文庫3冊は我が村の文化祭の企画「中古本プレゼント会」で見つけた。