ヴァロットン展@三菱一号館美術館
■ 江戸川区東瑞江で火の見櫓を見てから、東京駅前の丸善へ。ここには東京する度に立ち寄る。4階のカフェで本を読みながら友人を待つ。
東京駅を取り壊さなくてよかったな、と改めて思う(過去ログ)。丸の内仲通りを歩く。上質な街並み。この辺り、夕暮れ時の散歩にいいだろう。
街路樹の緑あふれる美しい通り。やはり街路樹は街並みの魅力を倍加する。他の通りもこのくらい美しければいいのに・・・。
日本で初めてのヴァロットンの回顧展を観るために三菱一号館美術館に向かう。
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この画家のことは全く知らなかった。会場で受け取ったリーフレットにフェリックス・ヴァロットン(1865―1925)はスイス・ローザンヌに生まれ、パリで活躍した画家、とある。
「20歳の自画像」。冷徹そうな目でこちらを見るヴァロットン。
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▲ ポーカーに興じる親戚たち。この疎外はヴァロットンが自ら望んだのだろう。
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▲ 乱れた室内、冷めた目で妻の情事を覗き見ていたのか・・・。まさか、偶々その跡を見てしまった、ということだろう。この時、ヴァロットンは顔の表情を全く変えなかったのではないか。ホラーな雰囲気。
▲ ふたつの視点から描いた作品、手前の子どもは俯瞰的な視点、後方の森に佇む二人の女性は水平方向からの視点。この絵には長い時間の経過を感じる。どこか不気味な雰囲気も漂っている。この女の子は行方不明になっているのではないか、女の子はいまどこに・・・。
「冷たい炎の画家」、「裏側の視線」か、なるほど・・・。
この美術館の濃密な空間、展示室のスケールがこの画家の作風によく合っていた。
* 会場のショップで買い求めたポストカード