透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「あきらめなかった男」を読む

2024-11-06 | A 読書日記


 大黒屋光太夫の漂流記は2006年に『大黒屋光太夫』吉村 昭(新潮文庫)、『大黒屋光太夫 ―帝政ロシア漂流の物語―』山下恒夫(岩波新書)を読んでいる(写真①)。


『あきらめなかった男 大黒屋光太夫の漂流記』小前 亨(静山社 2023年 児童書 図書館本)を読んだ(写真②)。

私が暮らす村では読書習慣を身につけ、それを大切にして欲しいという願いから、毎年ファーストブックを4か月児に、セカンドブックを1年生に、そしてサードブックを6年生にプレゼントしている。

『あきらめなかった男 大黒屋光太夫の漂流記』は図書館運営委員会(私も委員のひとり)がサードブックとして推薦した10冊の本の1冊。この児童書のタイトル「あきらめなかった男」が気に入って、図書館から借りて来て読んだ。

本の帯にこの本の内容が簡潔に記されているので、引く。**鎖国時代に北の孤島へ漂着。命は助かっても国へ帰れる見込みはなかった。それでも決してあきらめず、ついにロシア女帝から勲章をもらって帰国した日本人がいた。島から半島、ロシア本土、そして帝都へ― 仲間を連れて可能性を追い求めた信念の10年**

この引用文中、北の孤島とあるのはアムチトカ島、半島とはカムチャッカ半島、そして帝都とはサンクトペテルブルクのこと。

著者の小前 亨さんはあとがきにジュール・ヴェルヌの『十五少年漂流記』の影響で、子どもの頃から漂流ものの小説が大好きだったと書いている。私も『十五少年漂流記』を小学生の時に読んだという記憶がおぼろげながらある。

『あきらめなかった男 大黒屋光太夫の漂流記』を読んで、生きて日本に帰るという光太夫の強い意志と仲間を励まし、まとめたリーダーシップに感銘を受けた。

光太夫は辺見じゅんさんの『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』(文春文庫)に紹介されている山本幡男さんとよく似た人だなと思った。第二次世界大戦敗戦後にシベリヤに抑留された仲間を、希望を捨てることなく必ず生きて帰還するのだと励まし続けた人。決定的に違うのは光太夫は生きて日本に帰ったけれど、山本さんは病魔に襲われ、亡くなってしまったことだ。

『あきらめなかった男 大黒屋光太夫の漂流記』を希望した6年生が33人中2人いたとのこと。どんな子だろう。読後の感想が聞きたいなぁ。


 


259枚目@龍門渕てらす

2024-11-06 | C 名刺 今日の1枚

 安曇野市明科にある龍門渕てらすはフリースペース。シェアオフィスで仕事をする人やシェアキッチンを使ってランチ営業をする人が何人かいたり、そこで食事をする人やセルフカフェを利用する人もいる。色んな人が利用するから、ここは人と人を繋ぐ結節スペースのような役割も果たしてもいる。

昨日(5日)の昼過ぎにこの龍門渕てらすに運営スタッフで友人の中村君を訪ねた。久しぶりに会って、あれこれ話をしていた。そこにやって来た若者とあいさつをして、名刺交換した。


259枚目 安曇野市の地域おこし協力隊の山崎大輝さん(*1)。

山崎さんは愛知県出身。10代の頃はバンド活動をしていて、全国ツアーもしたそうだ。その後、西表島でネイチャーガイドを経験して、自然が身近にある生活っていいなぁと思ったとのこと。地域の活性化にも興味があったそうで、今の仕事に就いたと聞いた。まさにピッタリの仕事。

山崎さんの名刺には地域おこし協力隊 明科地区活性化 アクティビティ担当とある。明科はアクティビティ活動の拠点としてポテンシャルの高いところと捉えることもできるのではないか、と思うと伝えた。

シェアオフィスを利用していた女性の方にセルフカフェのコーヒーを私の分まで淹れていただいた。感謝。

山崎さん ガンバってくださ~い。




こんなサードスペースが我が僻村にもあったらいいなぁ・・・。


*1 拙ブログでの紹介を了解していただいた。