■ 『地球家族 世界30か国のふつうの暮らし』 という本があります。初版発行が1994年のTOTO出版の本です。「申し訳ありませんが、家の中の物を全部、家の前に出して写真を撮らせて下さい。」と世界30か国でお願いして撮った写真を載せています。
本の表紙(上の写真)はアフリカのマリの家族と家の中の持ち物のほとんど全てを写したものですが、物が驚くほど少ないですね。日本も取材対象の国のひとつで、取材を受けたのは平均的なサラリーマン家庭でしょうか、写真を見ると家の前に物が溢れています。
多くの物に埋もれて暮らすというライフスタイル(?)が物の大量生産、大量消費をベースにした右肩上がりの経済成長を支えてきた、ということなんでしょうか。それともその逆、「大量生産、大量消費、そして大量廃棄」という経済システムがそのような暮らしを強いたということでしょうか・・・。
30か国の家族の持ち物の写真を見比べ、暮らしぶりのレポートを読むと、豊かな暮らしというのは家の中に物が溢れているということとはあまり関係ないのではないか、と思えてきます。
いつ捨てても惜しくないような大量の物ではなくて、本当にかけがえのないもの、そう、例えばおばあさんが嫁入り道具で持ってきた箪笥、おじいさんが使っていた旅行鞄を大切に使う。壊れたら修理して使うというようなライフスタイルの方がずっと豊かではないかな、と思います。
建築家のミースは建築デザインについて Less is more という言葉を残しました。これはライフスタイルにも当て嵌まる美学かも知れません。
表紙のおうちは、ホントにモノが少ないですね・・・うちのキッチンにあるものより少ないかも。
こうしてみると、生きるために何が必要かを、改めて考えさせられます(もちろん、少ないほどいいというものでもないでしょうけれど)。
TOTO出版は建築に関するおもしろい本を出版しています。
**生きるために何が必要かを、改めて考えさせられます。**そうですね、本当にそう思います。
今自宅の水廻りのリフォーム中で、かなり不便な生活をしていますので尚更です。