■ 今月10日に木曽方面へ火の見櫓とマンホール蓋のツーショットを撮りに出かけた。
この日はあらかじめ火の見櫓の所在地を調べていた。木曽町三岳(旧三岳村)のこの辺りにも火の見櫓が立っていることが分かっていたので、王滝村からの帰りに行ってみた。県道20号から脇道に入り坂道を車で進んで行くと道が二手に分かれていた。右は下り坂、左は上り坂。さてどっちだろう・・・。上り坂を進んできたので、その連続性を意識したのだろう。左、と判断して進んで行ったが見つけることができなかった。この日はあきらめて帰った。帰宅して改めて調べて右の道を進んだところにあることを確認した。昨日(17日)の午前中にまた行ってきた。たった1基の火の見櫓を見るために往復100km。
834 木曽町三岳橋渡 撮影日170617
■ 4角形の櫓に4角形の屋根と見張り台。屋根の反りが大きい。カンガルーポケットの踊り場。見張り台と踊り場の床は鋼板張り。梯子段の数とその間隔により、見張り台の床の高さはおよそ10.5m、そこから屋根のてっぺんまでのおよそ3mを加えて総高をおよそ13.5mとみた。
下の踊り場に半鐘が吊り下げてあるが、これは見張り台から移したものだろう。ここまでは櫓の外側に梯子が掛けてある。
火の見櫓の向かいの家のおばさんと話をした。この辺りの地名を訊いたのがきっかけだった。
「危ないから撤去して欲しいと町にお願いしているんですが、この上に住む人からこれは貴重なのもだから残した方がいい、と言われているんです」
「長野県は火の見櫓が多いんです。でも、もう使わなくなりましたからあちこちで撤去しています。できればこのままにしておいて欲しいです。昭和30年ころから盛んにつくられましたが、このくらいの火の見櫓だと、当時のお金で15万くらいかかっていると思います。今のお金だと500万くらいになりますかねぇ」
「そんなに・・・。これ、倒れませんか?」
「大丈夫でしょう。住宅のような壁がないから、風も抜けてしまうし、こういう形って地震にも強いんです。でも一番下の奥の✖(ブレースのこと)が外れていますから、直した方がいいと思います」
柱と梯子に水平材を架け渡して半鐘を吊り下げている。消防信号板を梯子に付けてあるから、見張り台まで登ることはもう無いと判断したのだろう。
露出柱脚は珍しい。