透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「行幸」

2022-06-19 | G 源氏物語

「行幸 内大臣、撫子の真実を知る」

 この帖のポイントは光君が内大臣と会って、玉鬘が内大臣の実子ということを伝えたこと。その前に12月に行われた冷泉帝の大野原への行幸で、玉鬘が帝や内大臣、兵部卿宮らを見て評価することもこの帖の見逃せないポイントだろうか。右大臣(鬚黒)のことは色黒で顔じゅうひげだらけで好きになれそうにないなぁ、と思う玉鬘。「野分」では夕霧が女性たちを評価し、花に喩えていた。そう、夕霧、女君の品定め。

光君と内大臣は昔からのライバル同士。玉鬘の真相が明らかになると、**かつて、ずっと昔の雨の夜、あれこれと恋の品定めについて話したことを思い出して、泣いたり笑ったり、二人ともすっかり打ち解けた。夜もずいぶんと更けて、それぞれ帰っていく。**(159頁)まあ、ふたりは義兄弟でもあることだし。

だが、その後ふたりは政治的な思惑から腹のさぐり合いを始める・・・。雲居の雁を夕霧と結婚させる気はあるのか、玉鬘の今後の処遇は・・・。

♪ここかと思えば またまたあちら 浮気なひとね、な光君。サーフィンボードはかかえていないけれど、とにかく美女から美女へのプレーボーイなんだなぁ、と『源氏物語』を読み始めて思った。だが、このあたりまで読み進めてくるとだいぶ光君は変わり、物語の様相も「雨の品定め」のころとは変わってきていることを感じる。 ♪あの時 君は若かった

これから光君はどうなっていくのだろう・・・。


1桐壺 2帚木 3空蝉 4夕顔 5若紫 6末摘花 7紅葉賀 8花宴 9葵 10賢木 
11花散里 12須磨 13明石 14澪標 15蓬生 16関屋 17絵合 18松風 19薄雲 20朝顔 
21少女 22玉鬘 23初音 24胡蝶 25蛍 26常夏 27篝火 28野分 29行幸 30藤袴
31真木柱 32梅枝 33藤裏葉 34若菜上 35若菜下 36柏木 37横笛 38鈴虫 39夕霧 40御法
41幻 42匂宮 43紅梅 44竹河 45橋姫 46椎本 47総角 48早蕨 49宿木 50東屋
51浮舟 52蜻蛉 53手習 54夢浮橋                     

*1 復習:玉鬘は内大臣と夕顔との間に生まれた娘


 



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