〇で示した半鐘の撞座は反対側にもある。二つの撞座を結ぶ軸線と龍頭の長軸線の向きが一致している(黄色の線の向き)。こんなことは今まで気にもしなかったが、梵鐘について調べていて、ウキペディアでこのことを知った。
梵鐘は古代中国にルーツがあって、日本には6世紀後半に入って来たとのこと。で、その頃は前述の2本の線が直交していたそうだ。写真で言えば撞座が右側の縦帯のところにあったということ。それが平安後期以降に、写真のような位置関係になったそうだ。
なぜ、位置関係を変えたんだろう。位置関係が違うと何が変わるんだろう・・・。
上の写真のように二つの軸線が一致していると鐘を叩いた時に直交している時より揺れやすい、ということが直感的に分かる。揺れやすいということは龍頭(つり手)がスムーズに動くということだ。負荷(無理な力)がかかりにくいとも換言できる。軸線直交の場合と軸線一致の場合とでどの位の差があるのかは分からない。それ程違わないのかもしれないが、龍頭にかかる負荷を少しでも低減させようという意図で、位置関係を変えたのかな・・・。
それから揺れ方が違うと叩き易さ(撞き易さ)が違うのかもしれない。もし揺れが大きい方が叩き易い(撞き易い)のであれば、位置を変えた理由になるかもしれないがどうだろう。
このような推論しか、私にはできないが全く別の理由があるのかもしれない。どこか鐘を鋳造している工場に出向いて取材してみようかな。そうすれば何かわかるかもしれない。
注:上の写真とは別の半鐘の龍頭