透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「襲大鳳」

2023-09-21 | A 読書日記


「羽州ぼろ鳶組」シリーズ『襲大鳳(かさねおおとり)上下』

 

 隙間時間の細切れ読書ではダメ。ということで、上巻を読み直した。

登場人物が多く、私のキャパを超えている。で、2ページに亘る登場人物リストを時々確認しながら読み進んだ。上巻では「故 伊神甚兵衛」が下巻では「伊神甚兵衛」となっている。そう、羽州ぼろ鳶組の頭取・松永源吾の父親である松永重内とともに炎の中で果てたと思われていた伊神甚兵衛がこの壮大な物語のキーマン。それからリストの唯一の違いは上巻には載っていない御三卿 一橋治済が下巻に載っていること。これ、ネタバレ的ヒント?

尾張藩屋敷を襲う連続爆発・・・。死んだはずだよお富さんは春日八郎か、などとおふざけは止め。死んだはずの伊神甚兵衛が生きていた! 

**「この火付けは俺が止める」
  「なっ・・・・・一体それはどういう――」
  「過去の因縁は亡霊に任せ、お前たちは今の江戸を守れ」**(335頁)

上巻のラストで源吾と甚兵衛が交わした会話。下巻でこの会話の意味が明かされるだろう。今村翔吾という作家は構想力が凄い。さあ、下巻。


 


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