一昨日、昨日と、仕事で遅くなったせいもあって、
姉貴に電話してやれなかった。
姉貴に少しでも心のサポートをしてやりたくて
平日はそれこそ、何もしてあげられないから、
電話をしてお袋の状態を聞いて、姉貴の様子を伺う。
今日はお袋の痛みを抑える薬の強さのレベルが一つ上がった。
この薬、終末治療で使われる医療用の麻薬。
その他に痛み止めの座薬を一日数回投与する毎日らしい。
実の娘とは言え、姉貴は弱音一つ吐かず看病している。
電話をしても、明るく気丈に振舞い、僕を安心させるのだが
毎日、激しい嘔吐と痛みに襲われるお袋の世話を、
もう既に2ヶ月、家から殆ど外に出ることが出来ない状況で
ずっと、文句一つ言わず介護を続けて居る。
お袋もそういった姉貴の気持ちに応えるように、驚異的な生命力を発揮して、
医者が予想を遥かに超える日数を生き続けている。
でも姉貴の話を聞くと、お袋の痛みは全身に広がっていて
本当は痛くて仕方が無いのだろうと言う。
なんでそんなに頑張るのだろう?
神様はお袋に、いつまで試練を与え続けるんだろう?
痛み止めが効いて、眠りに着いたら、そのまま安らかに
親父のところへ行かせてやりたい・・・・そんな事を考えるようになってきた。
もしも神様が居て、願いを聞いてくれるなら
姉貴が傍にいるときに、人生で一番楽しかった
親父と仲むつまじかった頃の夢を見ながら、
笑顔のままで静かに人生の幕を引かせてやりたい。
こんなことを言ったら、姉貴は怒るかな?
姉貴は、なんて優しいんだろう・・・・