今日はサッカーをしに行くついでに仕事・・・・
山梨から元同僚の所長と、システム担当の二人が八王子に来ていて、
僕はいつも通り、昼からの出勤しました。
午後から雨が降り出して、夕方には本降りになったので
予定していたナイターの練習試合が中止。
そんな訳でついでにと言うはずが、しっかり仕事をして来ちゃいました(笑)
所長が帰りがけに休んでいる社員の見舞いのために、一足先に帰宅。
他の社員も今日は6時半には切り上げたいと言うので、
僕はシステム担当の人を駅まで送って帰ることに。
その人と車の中で、今の会社に僕が雇われる時のいきさつの話を訊かれた。
髭が御法度、髪の毛を染めるのも禁止と言う会社で、
髭と茶髪(名目は白髪染めです)の僕がどうして雇われたのか?
しかも、勤務時間にも拘束されないと言う働き方で・・・・
その時、僕は人事決定権がある会長に言った事を話しました。
髭が駄目、髪の毛が気に入らないと言うなら雇って貰わなくて結構。
会社の決めた就業規則にある時間通りに来いと言うなら結構。
定年退職して、もう他人の決めたルールや時間に束縛されて生きて行きたくない。
この3つをハッキリと伝えただけです。
それを聞いたシステム担当の彼が
『一度言ってみたいですねぇ…』と言うのです。
僕は自分の考えがハッキリしている。
これは前の会社に居た時から、変わって居ません。
自信が無い事、解らないことはハッキリ出来ない、解らないと言う。
やってみて、上手く行かなくて後から『言い訳』するのが嫌ですからね。
それでも、出来ないことは多々あった。
そういう時にあれこれと『出来ない理由』を並べても仕方がないので
『こうしないと出来ない』『こうすれば出来る』といった事を言ってきたつもり。
もちろん自分の『技量不足で今は出来ない』と言う時も多々ありました。
でも、それを聞く上司がどう思ったかですね。
どちらもその時の状況は変わらない。
でも『これだから出来ない』と『こうすれば出来る』では聞く側の受け取り方は全く違う。
同じようで、まったく違うものだという事です。
出来ない上司には、この違いすら解らない人間が多かった。
出来る上司は『技量不足で出来ない』僕のために時間を稼いでくれた。
『こうしないと出来ない』『こうすれば出来る』に対しては
『こうすれば出来るんだな?』
と念を押して『出来る』と言わせてから、機材や金や時間を僕に与えてくれた。
尊敬する超高圧電子顕微鏡の親方、O崎氏がその一人。
この人は僕をペテンにかけるようにして、高い要求をする代わりに
自分の首が危うくなるような状況でも、僕のために時間を稼いでくれた。
もう一人は、超高分解能の分析顕微鏡をやらせた元子会社の社長H田氏。
こちらはもっとしたたか。
今までの駄目な部分を検証させ、何処を改善しないといけないのかを
僕の口から言わせて
『そうだろう?だから、そこを直してくれ』という事を言う。
こちらもクライアントに難易度を説明しながら、その為の時間を稼いで頂いた。
結果的に僕は、この二人にいつも外堀を埋めさせられて育てて貰った。
大変だったけれど、両方とも達成感が得られた仕事で感謝しています。
人を動かす時に出来ない理由、いわゆる『言い訳』をいくら言っても
余程その道に精通している人でも、納得しない限り動いてはくれません。
逆に『こうすれば出来る』と言う事を言うと、簡単に納得させられる。
それは自分に足かせを付けることになるのですが、
振り返ってみれば、僕の技術者としての30年は、
そういった自分に自ら足かせを付けさせられることが多かった気がします。
今の会社に雇われることになったのは、人事決定権がある会長に
前出の3項目をハッキリ言った時に
『こういう人は、枠の中に入れたら働かないから好きにやらせなさい』
と、言う一言があったから。
これは逆に『こうしたら、働くよな?』と言われたようなもの。
その一言で、僕は断る理由を全て失うことになった。
多分、日本中探しても僕のような働き方をさせる会社なんて無いでしょう。
そういう意味では、本当に感謝しているし、期待に応えないといけない。
まぁ、期待はされていないでしょうけれど、少なくとも会長は、
自らも変わり者と言う御仁なので、僕に興味を持ったのでしょうね。
『変な奴がいないと、会社なんて組織は変わらないんだよ』
なんていう事を僕に言って下さった。
何だか、この御仁も前出のお二人にどこか似ている気がします。