今回の公演は翻訳・脚本を担当した座長の、
メッセージが沢山込められていました。
僕が感じる限り、メインテーマは『今を生きる』だろうと思うのですが、
今をどう生きるか?という問いかけも芝居の中に盛り込まれていた。
例えば主役ジュリア。
愛した男性が死んだのは自分のせいだと思い込んで、
その後は仕事に生きる選択をした。
こんな時、世の中の多くの人は、幸せにならない選択をする方が多い。
今はカウンセリングの仕事を主にしている作曲家の大塚先生から
カウンセラーとしてのアドバイスを頂いた。
この芝居の中で、僕と主役で唄う曲はこういった事を頭に入れて
役作りや、曲に入る直前の芝居に生かすことが出来た。
そのジュリアが白血病に罹り、人生の岐路に立たされる。
いつまでも後ろを向くな、前を見て生きなくちゃだめだ。
これは僕が演じた、糖尿病で余命が解らない男ジョージの気持ちです。
会うたびに喧嘩になる間柄だけれど、どこか惹かれあって行く。
いつまで生きられるか解らない者同士と言う事が解り、
手を取り合って今を一生懸命生きようと、励ますジョージ。
家族やバーのマスターなど、周りの人間は、
このまま仕事だけの人生で終わらせるのか?
と、ジョージの存在に心を揺さぶられているジュリアの背中を押す。
芝居の終盤に年配の方たちだけで唄った曲に泣かされました。
未来なんて今の積み重ね、
楽しもうよ、今を大事に生きよう
今を楽しめば、それが未来になる
中略
振り返るその時に笑って居れたらいいね・・・・
だから今、この時を大切に・・・
今を一生懸命生きなくて、楽しい未来が来るわけがない。
だから『今を一生懸命、楽しんで生きなさい』
座長がこの芝居に込めたメッセージだった気がします。
こういう歌詞が胸に沁みる年齢になったなぁ…
稽古を通じて、そんな事を思った今回の芝居でした。