日本の天皇制に対していろいろな考え方があります。天皇制こそ素晴らしい制度だという人もいますし、まったく不要な制度だと言う人もいます。
しかしそのように簡単に言い切れるものでしょうか?
そこで今日は世界の国々の立憲君主制と絶対君主制を比較してみようと思います。
立憲君主制とは憲法によって天皇や君主の政治への関与を禁止している君主制です。一方、絶対君主制は君主が絶対的な権力を持ち自由に政治を行う制度です。
例えば現在のイギリスや日本は立憲君主制です。一方、絶対君主制はイスラム教の諸国の幾つかに現在でも厳然と存在しています。
日本でも大和朝廷から平安時代までは天皇の力が大きくて絶対君主制と言っても間違いではありません。
そして鎌倉時代から以後は政治権力が将軍に移り天皇の政治力が無くなったのです。勿論、鎌倉時代も江戸時代も憲法などというものが存在してませんから「立憲君主制」と言えば間違いです。しかし天皇の政治権力が無いので、それは立憲君主制と非常に似た形式になっていたのです。この日本の特殊性は次回に考えることにして今日は世界の国々の立憲君主制と絶対君主制を比較してみましょう。
現在の世界には以下のような立憲君主国があります。
=======================
アジア
カタール国(首長)
カンボジア王国(国王)
クウェート国(首長)
タイ王国(国王)
日本国(天皇)
バーレーン王国(国王)
ブータン王国(国王)
ブルネイ・ダルサラーム国(国王)
マレーシア(国王)
ヨルダン・ハシミテ王国(国王)
ヨーロッパ、北米、オーストラリア
英連邦王国、
英連邦王国の諸国はイギリスと同一の国王・女王を君主とする。
イギリス(女王)
オーストラリア連邦(オーストラリア国王)
カナダ(カナダ国王)
オランダ王国(国王)
スウェーデン王国(国王)
スペイン王国(国王)
デンマーク王国(女王)
ノルウェー王国(国王)
バチカン市国 (教皇)
ベルギー王国(国王)
モナコ公国(公)
アフリカ
モロッコ王国(国王)
===========================
そして現在の絶対君主国は以下の通りです。
アジア
ブルネイ(国王)
アラブ首長国連邦
アブダビ(首長)
ドバイ(首長)
オマーン国(国王)
カタール国(首長)
クウェート国(首長)
サウジアラビア王国(国王)
バーレーン王国(国王)
============================
君主が必要か、必要でないかはヨーロッパ社会の近代化の過程で、それぞれの国々が結論を出して来ました。
現在、欧米には絶対君主制はモナコ公国とバチカン国以外は存在していません。
ヨーロッパで中世の王国にとって代わって国民国家が隆盛なりと、革命が起きたりして君主の居ないフランスやソ連が誕生したのです。
その一方、イギリスのように三権分立を原則とした憲法に従って、君主の権力が制約を受ける政治体制、すなわち立憲君主制が生まれたのです。
これは市民階級の台頭により妥協として生まれたものとも考えられます。
日本の天皇制は明治維新の後、このイギリス流の立憲君主制を導入したのです。
しかし軍隊の統帥権は天皇が持っていたので絶対君主制の性格も合わせて持っていたのです。
さてフランス革命は「あらゆる主権の原理は、本質的に国民に存する」(人権宣言3条)として君主主権の原理を否定し、国民主権原理を確立したものです。
アメリカ合衆国はこのフランス革命の精神で建国されています。ですから「自由の女神像」はフランスから寄贈されたのです。
イギリスは立憲君主制国ではあるが、政治の実態はアメリカや今日のフランス、ドイツ等の共和国と同じです。
第二次世界大戦後も君主を擁する国々は多数存在するが、ほとんどはイギリス型立憲君主制を取っており、ベルギーやルクセンブルクのように憲法上で国民主権主義を明記している国もあるのです。
戦後日本では、憲法上で国民主権主義を明確化し、天皇は政治的権限を持たない象徴的地位に就いたのです。この意味で戦後の日本は、事実上、国民主権主義をとる民主国家と規定することも出来ます。
しかし日本の天皇制と現在の欧米の立憲君主制は異なる部分もあり、その問題は次回に考えて見たいと思います。
今日の挿し絵代わりの写真は「KITAHOのデジカメ散歩」からお借りしたカサブランカとギボウシとヤマユリの写真です。
URLは、http://kitaho321.blog25.fc2.com/page-2.html です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)
===参考資料:カサブランカとギボウシとヤマユリの説明============
「KITAHOのデジカメ散歩」
1、カサブランカ コンカドールの開花をというユリは、日本のヤマユリ(Lilium auratum)、カノコユリ(Lilium speciosum)、タモトユリ(Lilium nobilissimum)などを元に、育種されたオリエンタルハイブリッド中の一品種です。
とても雄大な生育をし、何輪もの花を付けた様は圧倒させます。
2、ギボウシ;
淡い藤色は魅力的・・・・ギボウシ(擬宝珠)の花.
秘密基地自生種のギボウシ、とっても素敵な、淡い藤色を見せています。
キジカクシ科のギボウシ(Hosta)は、東アジア特産で、シーボルトがアメリカへ持ち帰り、欧米で交配が盛んに行われ、多くの品種が作出されました。
今や、欧米でのホスタ(ギボウシ)熱は衰えることがありません。
秘密基地では自生種のギボウシを大切にしています。
3、ヤマユリの実生の開花
ヤマユリの実生の開花です。
このヤマユリは・・・たぶん、秘密基地建設時に、福島の知人から頂いたヤマユリのこぼれ種から芽生えたものでしょう。
ヤマユリの苗らしきものを確認し、まだかまだか、と、待っていました。
小さな株ながら、大きく花開いてくれました。




しかしそのように簡単に言い切れるものでしょうか?
そこで今日は世界の国々の立憲君主制と絶対君主制を比較してみようと思います。
立憲君主制とは憲法によって天皇や君主の政治への関与を禁止している君主制です。一方、絶対君主制は君主が絶対的な権力を持ち自由に政治を行う制度です。
例えば現在のイギリスや日本は立憲君主制です。一方、絶対君主制はイスラム教の諸国の幾つかに現在でも厳然と存在しています。
日本でも大和朝廷から平安時代までは天皇の力が大きくて絶対君主制と言っても間違いではありません。
そして鎌倉時代から以後は政治権力が将軍に移り天皇の政治力が無くなったのです。勿論、鎌倉時代も江戸時代も憲法などというものが存在してませんから「立憲君主制」と言えば間違いです。しかし天皇の政治権力が無いので、それは立憲君主制と非常に似た形式になっていたのです。この日本の特殊性は次回に考えることにして今日は世界の国々の立憲君主制と絶対君主制を比較してみましょう。
現在の世界には以下のような立憲君主国があります。
=======================
アジア
カタール国(首長)
カンボジア王国(国王)
クウェート国(首長)
タイ王国(国王)
日本国(天皇)
バーレーン王国(国王)
ブータン王国(国王)
ブルネイ・ダルサラーム国(国王)
マレーシア(国王)
ヨルダン・ハシミテ王国(国王)
ヨーロッパ、北米、オーストラリア
英連邦王国、
英連邦王国の諸国はイギリスと同一の国王・女王を君主とする。
イギリス(女王)
オーストラリア連邦(オーストラリア国王)
カナダ(カナダ国王)
オランダ王国(国王)
スウェーデン王国(国王)
スペイン王国(国王)
デンマーク王国(女王)
ノルウェー王国(国王)
バチカン市国 (教皇)
ベルギー王国(国王)
モナコ公国(公)
アフリカ
モロッコ王国(国王)
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そして現在の絶対君主国は以下の通りです。
アジア
ブルネイ(国王)
アラブ首長国連邦
アブダビ(首長)
ドバイ(首長)
オマーン国(国王)
カタール国(首長)
クウェート国(首長)
サウジアラビア王国(国王)
バーレーン王国(国王)
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君主が必要か、必要でないかはヨーロッパ社会の近代化の過程で、それぞれの国々が結論を出して来ました。
現在、欧米には絶対君主制はモナコ公国とバチカン国以外は存在していません。
ヨーロッパで中世の王国にとって代わって国民国家が隆盛なりと、革命が起きたりして君主の居ないフランスやソ連が誕生したのです。
その一方、イギリスのように三権分立を原則とした憲法に従って、君主の権力が制約を受ける政治体制、すなわち立憲君主制が生まれたのです。
これは市民階級の台頭により妥協として生まれたものとも考えられます。
日本の天皇制は明治維新の後、このイギリス流の立憲君主制を導入したのです。
しかし軍隊の統帥権は天皇が持っていたので絶対君主制の性格も合わせて持っていたのです。
さてフランス革命は「あらゆる主権の原理は、本質的に国民に存する」(人権宣言3条)として君主主権の原理を否定し、国民主権原理を確立したものです。
アメリカ合衆国はこのフランス革命の精神で建国されています。ですから「自由の女神像」はフランスから寄贈されたのです。
イギリスは立憲君主制国ではあるが、政治の実態はアメリカや今日のフランス、ドイツ等の共和国と同じです。
第二次世界大戦後も君主を擁する国々は多数存在するが、ほとんどはイギリス型立憲君主制を取っており、ベルギーやルクセンブルクのように憲法上で国民主権主義を明記している国もあるのです。
戦後日本では、憲法上で国民主権主義を明確化し、天皇は政治的権限を持たない象徴的地位に就いたのです。この意味で戦後の日本は、事実上、国民主権主義をとる民主国家と規定することも出来ます。
しかし日本の天皇制と現在の欧米の立憲君主制は異なる部分もあり、その問題は次回に考えて見たいと思います。
今日の挿し絵代わりの写真は「KITAHOのデジカメ散歩」からお借りしたカサブランカとギボウシとヤマユリの写真です。
URLは、http://kitaho321.blog25.fc2.com/page-2.html です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)
===参考資料:カサブランカとギボウシとヤマユリの説明============
「KITAHOのデジカメ散歩」
1、カサブランカ コンカドールの開花をというユリは、日本のヤマユリ(Lilium auratum)、カノコユリ(Lilium speciosum)、タモトユリ(Lilium nobilissimum)などを元に、育種されたオリエンタルハイブリッド中の一品種です。
とても雄大な生育をし、何輪もの花を付けた様は圧倒させます。
2、ギボウシ;
淡い藤色は魅力的・・・・ギボウシ(擬宝珠)の花.
秘密基地自生種のギボウシ、とっても素敵な、淡い藤色を見せています。
キジカクシ科のギボウシ(Hosta)は、東アジア特産で、シーボルトがアメリカへ持ち帰り、欧米で交配が盛んに行われ、多くの品種が作出されました。
今や、欧米でのホスタ(ギボウシ)熱は衰えることがありません。
秘密基地では自生種のギボウシを大切にしています。
3、ヤマユリの実生の開花
ヤマユリの実生の開花です。
このヤマユリは・・・たぶん、秘密基地建設時に、福島の知人から頂いたヤマユリのこぼれ種から芽生えたものでしょう。
ヤマユリの苗らしきものを確認し、まだかまだか、と、待っていました。
小さな株ながら、大きく花開いてくれました。




