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「あわや東海から関東へ上陸か」たっぷりと水エネルギー持った7号台風も、最悪のコースは回避され、東海から関東の沿岸沿いをコースに房総沖を抜けていった。
東京での台風直撃は避けたものの、雷雲を伴い、人命を失う落雷事故を起こすなどの爪痕を残し、バケツをひっくり返すような激しい降雨の洗礼を浴びた。
こんな台風を迎え撃つ日が、期せづして、孫娘の誕生日である。
「嵐を呼ぶ男ならず女」この子の奇縁は運命的なものを背負っている。この世に生を授かり、誕生した日も台風10号を迎え撃っての産声を挙げており、台風の中横浜の病院に向かったことが鮮明に記憶されている。この記念すべき誕生日も台風の洗礼、偶然にしては余りにも出来過ぎた物語である。
そんな嵐の中、長野の信越線に「三才(さんさい)」駅があり、その名にあやかって、子供の健やかな成長を祈願して、わざわざ横浜から出かけた。
その記念日は平日にも関わらず、遠路から遥か長野え、出かけた思い入れ、エネルギは相当なものである。
長野市の北の外れ、りんご畑に囲まれた、のどかな小駅であるが、その名が口コミで知れ渡り、子を思う入れ込んだお父さん、お母さんに連れられた三才児が訪れる、静かなブームをよんでいるようである。
家族のその熱き気合に遠慮したのか、かの地のでの台風の影響はなく、三才駅での祈願は無事に果たせられたようである。
平日もあって、もとより訪れる人も少なく、殆どその小駅は孫娘家族に占拠された。
駅長さんの帽子を借りての記念撮影とも試みたが、ただでさえ帽子嫌いの孫娘に、その厳めしい帽子には、怖い存在で、ご縁がなかったようである。
あのひ弱な赤子が、もう三才になってしまった。見る度にその成長の度合いが、確かめられ、頼もしいかぎり、このままのびのびと健やかに育って欲しい。