春夏秋冬ライフ

四季の変化に向き合い、目の前に起きる様々な出来事を目の丈で追ってみた。

緒方拳主演の「破獄」

2008-10-12 16:16:00 | 事件だ~!!
◇俳優緒方拳が肝臓ガンで亡くなる
5年前から既にガンに掛かって居たようで、関係者にも、ひた隠したようで緒方らしい廻りに心配をかけない、気配りであった。親友であった津川雅彦が最後を見送ったようで、「名優らしい見事な最期だった」と目に涙を浮かべて語った・・・は役者の姿を最後まで貫いているようであった。役者として同じ道を歩む、子供達にも偉大な役者と言わせる位の凄い役者であったことが改めて思い知らされた。
時代劇の大河ドラマで名を広め、素地で既に戦国武将を彷彿する風格備えた役者さんとして、印象が強い。
先月、北海道旅行で網走刑務所に行った時に昭和11年青森で犯罪を侵して青森の拘置所で収容され、以来秋田、網走と脱走、捕縛を繰り返し、最終的に府中に送られ更正した実話が紹介された。この話が大変有名で昭和59年緒方拳主演で「破獄」という題名でテレビドラマ化されている。

写真はその時に紹介されたもので、扉にある鉄格子は木ねじ10本で留められているが、此処に食事の味噌汁を口に含んでは捻子の所に少しずつたらし込み、この鉄格子を揺さぶり続け、凡そ1年間準備をして、ここから出て行った。
そのモデルとなった人物は府中刑務所の所長さんが温かい心の持ち主で、模範囚になった所から、昭和36年仮出所したが、昭和54年71歳の時に心筋梗塞で亡くなる。
その年齢が緒方の年齢と偶然であろうが、重なり合い、その巡り合わせに驚く。お冥福を祈る
網走監獄で詳細を記述する

◇緒方拳主演のドラマ「破獄」
国営放送 BS2で特番を放映された。
題材が題材だけに、冒頭から脱獄して多数の看守に取り押さえられ、素っ裸にされ屈辱的な検査をされると言う、シーンから始まり、脱獄、脱走、捕縛、収監が東北から北海道網走など各地で転々と行われるの重くて暗~いシーンがこのドラマの全般を覆っている。
その半生を繰り返される脱獄と捕縛に殆どが監獄の生活にあって、更正、社会復帰の機会をみないまま、どんな厳しい環境下にあってもするりと逃げ出す、執念と技術を備えた緒方拳が演じる脱獄王の姿であった。
モデルが青森出身で口が重く、逃走、収監など終始監視下に置かれる中で、眼光鋭く、目配りし思考する表情は役者の持つ天性がそのまま活かされているようで、ぎりぎりの所で生きている姿を見事に演じていた。
それを見守る看守もサーベルを腰に下げ、囚人に対して居丈高で見下し、時には腕力で囚人を捻じ伏すなど、囚人に取っても厳しい戦前の時代背景を現していた。
この脱獄王に運命的な出会いがあった看守が、次々に挑戦的に繰り返す脱獄犯との取り押さえる立場からの戦いの歴史でその看守役に津川雅彦が演じていた。
鬼の看守に憎しみ、心を開かなかった脱獄犯も、長い収監時代に徐々に氷解し、二人の間には対決から融和の絆が芽生えてくる。
しかし、再犯は納まらず、強盗を働き捕まり、もう北海道の刑務所では無理ということで、府中刑務所に収容されている。ここの所長さんが温かい心の持ち主で、模範囚になった所から、仮出所し晴れて看守との再会が生まれるが、社会復帰後、間もなく亡くなる、ところでドラマは幕引く。
ドラマでは看守として、若々しく男前で格好のよかった 津川雅彦も、緒方拳が亡くなった後の記者会見でのめっきりと年老いた姿に驚いた。ドラマ化後、すでに20数年経っていることを改めて思い知らされた。

写真は網走監獄で脱獄する姿がリアルに演出されてあった。
その様子は網走監獄で報告している


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