一段と逞しくなったアカリ姫が連休を利用してやってきた。
わざわざ車に自転車を乗せ、その晴れ姿を飾る自転車デビューである。
目を見張る様な体の成長ぶりに、護身用のヘルメットもちいさく
僅かに被っている様にさえ見える。
自力走行、走り出しは勢いもなく、自分の意志とは別に右に左に
蛇行し、ついつい足を出し、中々乗り切れない。
顔は何時も下を向いたまま、顔を上げる余裕もなかった。
後ろからちょっと押してやると、乗り切れ、自分の意のままに
すいすいと走る。
その乗り心地にすっかり、取りつかれ、どんどんと先に進んで行く。
下を向いていた顔も、「どう!!」と自慢げに、こちらに目線を
向ける、余裕も生まれてくる。
「お~い、待ってくれえ~」
背後の心配をよそに、ペタルに乗った勢いに乗ってしまい留まること
もなく、道成に前へ。
折しも、心地よい五月の風を思い切り浴びながら、格好良い走りに
じじばばもその後を追った。
自転車乗りの快感を体感し、満足する姿に改めて成長の姿を見る様であった。
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